2018/11/07 【社会】 中国:MS創業のビル・ゲイツ氏、「次世代トイレ博」講演話題に

 汚物の処理・利用推進を訴えた米IT大手創業者の中国講演が注目されている。「中国新世代廁所博覧会(Reinvented Toilet Expo)」開幕の6日、ビル・ゲイツ氏は真面目な表情で「糞便」の入ったガラス容器を演壇に立って披露。手で持ち上げながら、聴衆数百人の前で衛生管理技術レベルを引き上げるよう訴えている。複数の中国メディアが伝えた。
 マイクロソフト(MSFT/NASDAQ)を創業したゲイツ氏は、ヒトの排泄物に言及。「この小さいガラス瓶の中だけで、ロタウイルス220兆個、グラム陰性通性嫌気性桿菌200億個、寄生虫卵10万個が入る余地がある」と指摘した。そのうえで「悪性下痢、コレラ、腸チフス類などで5歳以下の子供が毎年50万人近く命を失っている」と現状を報告。「世界全体で少なくとも毎年2230億米ドル(約25兆2500億円)の経済損失を強いられている」との見方を示した。
 一方、これまでの中国政府によるトイレ衛生の取り組みを評価。中央財政は2004年以来、累計83億8000万人民元(約1370億円)を投入し、衛生的なトイレ2126万3000カ所を新設・改造したと紹介した。衛生的なトイレの中国普及率は、1993年の7.5%から2016年の80.3%に上昇したという。ただ、中国農村部の無害化処理率は、2016年末時点で60.5%にとどまると憂慮。さらに衛生面の投資を積み増すよう訴えた。この分野の投資必要額は、世界で毎年60億米ドルに上るとみている。
 今回の博覧会には、江蘇克莱爾環保科技有限公司の水循環トイレ、中国中車(CRRC:1766/HK)の万能汚物処理器、江蘇宜興艾科森生態環衛設備有限公司の生態衛生設備などが展示された。
 博覧会スケジュールは6〜8日にかけた3日間。世界最大の慈善基金団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」が北京市朝陽区の「北京嘉徳芸術センター」を選定し、今回の博覧会を企画した。中国国際貿易促進委員会と中国国際商会の共催となる。展覧会場は面積2000平方メートル。中国、米国、ドイツ、フランスなど10カ国近くの30社あまりが出展した。

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