2018/12/05 【経済・統計】 中国:車輸入が縮小トレンドに、1〜10月は6%減の92.7万台

 中国の自動車輸入がマイナス成長に転じている。中国汽車流通協会によれば、今年10月の海外輸入は概算10万台。前月比で16.1%、前年同期比で22.1%ずつ減少した。税関の統計でも停滞が目立っている。今年1〜10月の輸入は、前年同期比6.0%減の92万7388台。マイナス成長率は、1〜9月比で1.8ポイント拡大している。経済日報などが5日付で伝えた。
 米中間の「貿易戦争」などが重し。1〜10月の米国車輸入は、30%の落ち込みを記録した。現地生産の動きも広がりつつある。ただ、米国車を除いた場合は、前年同期比で1万6000台増とプラス成長を確保した。
 輸入車のなかでも、並行輸入は落ち込みがきつい(今年9月以降、直近5年で初の前年割れ)。車種別のシェアをみると、ミニバンが拡大したものの、主力のSUVは不調を余儀なくされている。10月単月の車輸入は、56.6%減の6000台に縮小した。これら6000台のうち48.4%はトヨタ車が占めている。1〜10月累計の車輸入も、8.3%減の12万6000台に沈んでいる。1〜9月は2.9%減の12万3630台だった。9月と10月の不振については、「3C認証」(中国製品安全強制認証制度、中国強制製品認証制度、中国強制認証)取得の徹底、港湾保険の影響などがあるという。輸入車全体に占める並行輸入の比率は、14年が7.77%、15年が10.5%、16年が12.7%、17年が14.2%に上昇したものの、18年1〜10月は13.6%と低下した。
 こうしたなか、中国は自動車並行輸入に対する規制を緩和する。海関総署(税関)自由貿易区・特殊区域発展司の陳振衝氏は11月23日、保税倉庫での並行輸入車の蔵置期間制限を廃止する方針を打ち出した。現行3カ月に設定されているが、今後は制限を設けない構えという。
 一方、輸入車は販売も不振。1〜10月の累計販売は、6.0%減の69万3000台に落ち込んだ。経済環境の不透明感浮上、中米貿易戦争の動向注視などを受けて、買い控えムードが漂っている。輸入車在庫も高水準で推移。今年は1月が販売3.07カ月分、2月が販売3.55カ月分、3月が販売3.84カ月分、4月が販売4.04カ月分、5月が販売4.05カ月分、6月が販売3.54カ月分、7月が販売4.66カ月分、8月が販売4.23カ月分、9月が販売3.90カ月分、10月が販売3.87か月分となっている。
 来年に関しても、逆風が続く見通しだ。大気汚染対策を推進する国家戦略「藍天防衛戦3カ年行動計画」(青空防衛戦)の影響が大きい。中国は19年7月1日から新排ガス基準「国6」を重点エリア、珠江デルタ、四川・重慶エリアを対象に先行導入する。これら導入エリアでは、「国6」不適合車を販売できなくなる運び。「国6」は一部の指標が「ユーロ6」を上回るなど、「世界で最も厳しい排ガス規制に属する」とされるだけに、輸入車販売にダメージを与えよう。

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