2018/12/06 【経済・統計】 中国製「電子機器」海外販売拡大、越境ECが後押し

 電子商取引(EC)を通じた中国製電子機器の海外販売が好調だ。中国のEC最大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)傘下の海外向けサイト「全球速売通(アリエクスプレス)」は、ネット通販の大規模セールを矢継ぎ早に展開。今年11月の「シングルデー」と「ブラックフライデー」の販売促進キャンペーンでは、欧米向け売上高がそろって前年同期比で倍増している。21世紀経済報道が5日付で伝えた。
 アリエクスプレスは「シングルデー」商戦に、電子機器販売が前年同期比で5割増。スマートウォッチやウエラブルデバイス、ブルートゥーススピーカーなどの取引が伸びている。なかでも華為技術(ファーウェイ)、小米科技(シャオミ)などの製品が海外消費者に広く受け入れられた。
 また、米国で大規模セールが繰り広げられる11月末の「ブラックフライデー」でもアリエクスプレスは、売上高が3倍に急拡大。うち、VRゴーグルの受注件数は前年同期の30倍、3Dデジタルカメラは20倍を記録した。
 アリエクスプレスは以前、海外では入手しにくい中国特有のニッチ商品群「ロングテール」を主に扱っていたものの、近年は売れ筋“メイン商品”にも力点を置くようになった。これに伴って、取引単価は上昇。王明強・総経理は、「以前は十数米ドルの単価商品がよく売れたが、足もとで数百米ドルの高額商品に人気が移っている」と指摘。「特に中国製のスマートフォーンや電子機器の売り上げが急速に伸びている」と補足した。その上で、「中国製造業のレベルアップが進んでいることが背景にある。中国製品が欧米消費者に受け入れられるようになった」と総括している。
 一方でアリエクスプレスは、中国伝統商品の海外販売にも注力。例えば中国茶道で用いられる茶器は、直近半年間の売り上げが前年の9倍以上に膨張した。シングルデーセール期間だけで7万米ドルを売り上げている。なかでもイスラエル、チェコ、ポーランド、ベラルーシ、韓国など向けで伸びが顕著。中華箸も韓国、イスラエル、ウクライナ、フランス向けの販売がここ半年で目立って増えた。
 アリエクスプレスは、物流「ラストランマイル」問題の解決にも取り組んいる。すでにロシア、スペイン、フランスなどに現地倉庫を設置し、物流効率を高めた。これらの多くの都市で、当日または翌日配送を可能にしている。貨物の相乗り輸送、チャーター便利用、海陸連携輸送などのさまざまな輸送モデルを想定し、各国向け物流ソリューションを模索しているという。
 また決済面では、アリババ傘下のマ蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル・サービス・グループ)と連携。世界主要市場の決済ネットワークカバー率を90%までに高めた。
 世界のグローバル越境(B2C)マーケットは、急ピッチな拡大を遂げている。ある調査機関は、2020年の市場規模は1兆米ドル(約113兆円)に達し、利用者数は9億4300万人に膨れ上がると予測した。

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