2018/12/06 【経済・統計】 中国:北京順義に「自動運転ミニタウン」、ミシガン大「Mcity」模倣

 自動車運転車の走行実験施設が北京市順義区北小営鎮にも整備される。本物の街を模した「架空のミニタウン」をつくり、市街地を想定した実験走行の環境を整える。2020年の運用を目指す。牛車網などが5日付で伝えた。
 計画面積25平方kmの「北小営鎮無人運転特色小鎮」は、米国ミシガン大学(ミシガン州アナーバー)のキャンパス内で15年7月に世界初オープンした自動運転用の試験施設「Mcity」を参考。市街地や郊外の道路をリアルに再現し、さまざまなシーンを想定した自動運転車の実証実験が展開できるようにする。投資額1000万米ドル(約11億3000万円)の「Mcity」の規模を大きく超える予定だ。「Mcity」の面積は0.13平方km。計測道路の延長は約0.5kmにとどまっている。
 自動運転車両やコネクテッドカー関連技術の研究・開発を促進し、世界的な「自動運転タウン」として発展させる構想。自動運転車向けの電池、新素材、半導体回路(IC)チップ、センサー、ITS(高度道路交通システム)などの各関連産業を育成する。
 すでに多くの企業・組織が順義区への進出計画を定めた。北京汽車集団の研究機関である北汽新技術研究院は、同区に「スマートコネクティビティテスト基地」を整備する予定。配車アプリ中国最大手の滴滴出行(Didi Chuxing)は同区で、「配車サービス向けカスタマイズ車製造」、「スマート充電ネットワーク」、「スマート運転向け半導体デバイス」の3事業を展開。「スマート新エネルギー車」の産業生態系を構築する計画を掲げる。また、車載IC設計を手がける地平線機器人(ホライズン・ロボティクス)は、自動運転向け半導体の研究開発施設と工場を順義区に整備する予定だ。
 このほか順義区では、起伏の多い地形を生かしてオフロード車レースを誘致するなど、自動車文化と観光を組み合わせた産業勃興プロジェクトの構想も立ち上がっている。
 「自動運転車」開発レースは、中国でも白熱している。自動運転車は、人工知能(AI)やセンサー、通信機能を加えたコネクテッドカーなど複数技術が応用される分野。ハイテクノロジーと自主知的財産権を有する製品づくりをめざす「中国智造」(スマート製造)を推進するものとなる。
 すでに上海市の嘉定区では、2016年6月に自動運転車の走行施設「A NICE CITY」が開設された。第1期では29パターンを提供する。実際の市街地、さらに郊外の道路をリアルに再現。開発中の自動運転車やネットワークでつながったコネクテッドカーの実証試験を行う場となる。中国の複雑な道路交通環境や状況を踏まえて、V2X(車車間通信+路車間通信)に関して最終的に100パターンのシーンを用意。「Mcity」と比べて、数倍規模のパターンを設定できるようにした。

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