2019/03/06 【経済・統計】 中国:河北省固安に「航空・宇宙業」集積、二大国有企業も進出

 河北省・固安県の新産業団地に「航空・宇宙産業タウン」が形成されつつある。同県のハイテク技術産業開発区の重要構成部分として、官民パートナーシップ方式(PPP)を活用した事業誘致が推進されてきた。進出企業には、投資事業のスピード承認や、オフィス賃貸補助などの政策優遇を付与。ドローン(小型無人機)の試験飛行許可などについても、取得しやすい環境を整えている。科技日報が6日付で伝えた。
 環境汚染や都市機能の北京市への一極集中といった問題の解決に向けて、中央政府が提唱する「京津冀(北京・天津・河北)一体化」構想の下、今後も北京・天津に拠点を置く航空・宇宙関連企業による固安県への進出が見込まれている。中国の宇宙開発を手がける二大国有企業である中国航天科技集団有限公司と中国航天科工集団公司の複数下部組織は、すでに同県の「航空産業基地」に拠点を設置。原材料、加工・生産、組立・テスト、応用などの航空・宇宙業界をめぐるサプライチェーンが形成された。
 「航空産業基地」が位置する固安県ハイテク技術産業開発区は、県政府監督の下、設計、投資、建設、運営などが産業団地運営の華夏幸福基業(600340/SH)に委託されている。企業誘致に向けて同社は、産業ファンドや融資プラットフォームの立ち上げを通じ、企業の資金調達を支援。公共実験プラットフォームを整備して、企業の技術レベルアップ・開発成果実用化も後押ししている。政府と企業のパイプ役としても機能。人材誘致支援など公共サービスを充実化させた。
 航空機精密部品製造の北京航天振邦精密機械有限公司は、2010年に固安県進出。区内の各優遇制度を利用しながら、業容を拡大。自動車用エアコン用コンプレッサや、医療用ガンマナイフ(ピンポイント照射の放射線治療)設備の生産にも乗り出した。祖業の航空精密部品では、前述の航天科工と航天科技のほか、中国兵器工業集団や中国核工業集団などとサプライヤー契約を結んだ。同社の納税額は足元で数千万人民元に拡大。工場周辺に飲食店やホテルが立ち並ぶなど現地サービス産業の発展にも寄与した。

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