2019/03/08 【経済・統計】 中国:サービスロボ開発加速、当面は「業務用」主力

 中国のサービスロボットメーカーが資金調達を活発化している。医療やセキュリティ、接客など応用範囲が幅広い業務用サービスロボの開発投資に意欲的だ。国際ロボット連盟(IFR)は、「人工知能(AI)などの技術融合につれ、需要によりマッチした専門サービスロボは、向こう5年で比較的大きな市場に成長する」と予測。「サービスロボ技術は10年後に重大なブレークスルーを実現する」と予言している。21世紀報道が8日付で伝えた。
 教材ロボ生産などを手がける深セン市優必選科技有限公司(UBテック・ロボティクス)はこのほど、新たな資金調達を実施。株式1.1%を保有する戦略投資家として、地方政府系の重慶両江新区戦略性新興産業投資基金(両江戦略基金)を迎え入れた。さらに「シリーズC+」ラウンドの資金調達も準備中。完了後の企業価値は100億米ドル(約1兆1100億円)に倍増する見通しだ。上場も視野に入れているという。
 同社は設立7年で5回の資金調達を矢継ぎ早に実施。研究と開発を急加速してきた。足元の製品ラインナップは、家庭向けから企業向けへと延伸。家庭向け人型ロボ「アルファ」、ロボット組立を通してプログラミングの学習効果をもたらす教材ロボ「Jimu Robot(ジムー・ロボット」のほか、BtoB向けコミュニケーションロボ「Cruzr」や点検ロボ「ATRIS」などを続々と送り出した。
 同社の18年売り上げは、企業向けロボで3分の1を占める比率。教育、商業サービス、セキュリティ向け商品の販売が伸びた。創業者の周剣氏は、「中長期的には家庭向けロボ市場を主力ターゲットに据えるが、向こう2〜3年内は企業向けサービスに重点を置く」と説明。「労働者不足や人件費高騰を背景に、企業の省人化対応への需要は大きい」という現状を指摘した。また、家庭用サービスロボに関して、市場が本格的に立ち上がっていない実情も踏まえている。例えばパートナーロボの場合、現行技術レベルと消費者期待に一定の乖離があるなか、需要の伸びは緩慢だ。
 IFRのまとめによれば、業務用専門サービスロボの18年世界販売額は、前年比39%増の66億米ドルに拡大。販売台数は85%増加した。物流システム向けで需要が最も旺盛。業務用サービスロボ総販売台数の63%、総売上高の36%を占めた。一方、サービスロボは新興企業の主要参入領域でもあり、今後の見通しは明るいと総括されている。

亜州ビジネス 中国産業データ&リポート
Ashu IR Inc. All Rights Reserved