2019/03/08 【労働】 中国:女性の給与水準「男性の8割」、格差は拡大傾向

 人材紹介大手の智聯招聘が7日発表した「2019中国女性職場現状調査報告」を受け、中国で「男女の賃金格差」に改めて注目が集まっている。同報告によると、平均月収は男性で9467人民元(約16万円)、女性で7245人民元(約12万円)。男性が女性を23%上回る水準だ。同数値は前年調査時の22%を1ポイント上回っており、男女格差が拡大しているという調査結果が示された。
 昇給率にも男女格差が存在。男性の昇給率が18%だったのに対し、女性は10%にとどまっている。
 現地メディアは平均月収に差が出た一因として、管理職や専門職の女性比率が低い点を挙げている。例えばある統計によると、中国の企業家のうち、女性はわずか4分の1という水準。また前出の報告によれば、高級管理職の男女比は81.3%、18.7%となっている。
 その上で同報告は、結婚や出産に関する伝統的な概念が雇用市場における女性の排斥につながっていると指摘。同報告によると、「昇進を阻害している要因は何か」との質問に対し、「結婚・出産」を挙げた女性の比率は男性の4.6倍という水準。特に「既婚・子供なし」の女性では、「結婚・出産」を挙げた女性の比率が3割強に達した。
 こうした中、政府は採用時や雇用上の女性差別是正を強調。5日スタートした全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕式では、李克強首相が「政府活動報告」の中で「就業における性別・身分差別を防止・是正する」との方針を示した。また、人力資源社会保障部などは2月21日、採用過程における性差別を禁止する方針を表明。性別を理由に女性の採用を拒絶することや、女性に結婚・出産状況を質問することなどを禁じた。採用を予定する企業が性差別的な内容を含む求人情報を出した場合、最高で5万人民元(約80万円)の罰金が科される。
 なお、智聯招聘が発表した報告は、中国31省市の異なる業種、異なる年齢層をターゲットにサンプル調査を行った結果をまとめたもの。17年から毎年発表されている。

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