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  ニュース     2020/05/26 18:59

「カジノ王」スタンレー・ホー氏98歳で死去、弔い相場で関連株上昇 無料記事

 「マカオのカジノ王」と称されるスタンレー・ホー氏が26日、入院先の病院で死亡した。享年98歳。中国国営メディアなど複数メディアが伝えている。報道によると、スタンレー氏の娘で、信徳集団(シュンタク・ホールディングス:242/HK)主席の何超瓊(パンジー・ホー)氏が病院前で記者団に対し、スタンレー氏の死を報告。詳細は後ほど開く記者会見で明らかにすると述べた。
 1921年生まれのスタンレー氏は、2002年まで約40年間にわたってマカオでのカジノ運営権を独占。不動産開発やホテル、フェリー運営など幅広いビジネスを手がけ、アジア有数の大富豪ファミリーを率いてきた。その収入はマカオGDP(域内総生産)の約3分の1を構成すると称されたこともある。17年6月、信徳集団の主席職をパンジー氏に譲ったほか、18年6月には澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)の主席職も娘の何超鳳(デイジー・ホー)氏に譲渡。グループ経営の一線から完全に退いた。
 スタンレー氏は09年に自宅で転倒した後、車いすの生活を送るようになった。ここ数年は健康不安が報じられることも多く、昨年2月には一時ICU(集中治療室)に入っていたとされる。また香港の一部メディアはきのう25日の時点で、スタンレー氏が危篤状態にあると報じていた。
 マカオ経済の発展に多大な功績を残したスタンレー氏の“弔い相場”として、26日の香港マーケットでは信徳集団の株価が急騰。日本時間午後3時46分現在、前日比20.7%高の3.09香港ドルで推移している。ほか、ホー氏一族傘下のSJMは7.5%高の8.87香港ドル、新濠国際発展(メルコ・インターナショナル:200/HK)は4.6%高の14.96香港ドル、米MGMと共同出資する美高梅中国HD(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)は4.9%高の9.35香港ドルで推移している。
 なおカジノ銘柄を巡っては、ジェフリーズ証券が最新リポートで、「向こう数週間内にマカオの渡航規制が緩和される見通し」と指摘したことも支援材料。セクター全般に買いが広がっている。


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