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  ニュース     2020/03/25 18:59

中国:百度が「V2X未来道路」整備、合肥に中国初の大型実験道 無料記事

 自動運転向け「V2X」(車車間通信・路車間通信)通信を検証する中国初の大型実験道路に関し、中国IT大手の百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ)が事業権利を落札した。道路の設計から設備買付、施工までを一貫して手掛ける。盖世汽車網などが24日付で伝えた。
 1本目の実験道路は、安徽省合肥市包河区に位置する浜湖新区に整備する。完成後は第1弾として、江淮汽車、安徽安凱汽車など地場完成車メーカーや、合肥に研究開発拠点を擁する独フォルクスワーゲン(VW)などが自社開発車の走行実験を進める予定だ。合肥市公共資源交易センターが23日、運営主体となる事業者の入札結果を公示している。
 「2020年のブラックスワン」とも目される新型コロナウイルス危機に見舞われるなかにあっても、合肥市はスマートIoTインフラ整備を次段階へと進める構えだ。従来自動車産業の強みを活かしながら、次世代カーとして中国が普及推進する「インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)」の発展好機を着実に掌握。新たな成長動力を発掘するという青写真を描いている。
 合肥市の19年域内総生産(GDP)は、前年比7.6%増の9409億4000万人民元(約14兆7440億円)に拡大。成長率は中国トップクラスに位置する。
 自動運転開発連合「アポロ計画」を主導する百度は、「自動運転技術」の掌握に積極的。自動運転と「V2X」関連のあらゆる開発技術を習得した中国唯一の企業だ。車ナビゲーション向け「A級地図製作ライセンス」を擁すると同時に、自動運転に欠かせないダイナミックマップのデータ収集・作成能力も習得している。中国第1陣の「国家次世代人工知能(AI)開放イノベーションプラットフォーム」にも選定された。
 国家発展改革委員会など政府関連11部門は今年2月、「スマート自動車イノベーション発展戦略」を公布。25年までに中国標準スマートカーの技術革新や産業生態系づくり、インフラ整備を終えると方針明示した。法整備やネットワークセキュリティ対策も整え、条件付き自動運転機能を搭載したスマートカーの量産、高度自動運転車の市場化応用を実現させる構想を明示している。「LTE-V2X」や「5G-V2X」などの車両無線通信システムも段階的に構築。「35〜50年にかけて中国標準スマートカー運行システムを全面構築し、完全なものする」といった工程表を定めた。


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