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  ニュース     2020/07/01 18:59

華晨中国もモビリティ参入、全額出資で子会社設立 無料記事

 中国自動車メーカーのモビリティサービス進出が相次いでいる。業界中堅の華晨中国汽車HD(ブリリアンス・チャイナ:1114/HK)も同分野に新規参入した。6月29日、オンライン配車サービスなどを手掛ける全額出資子会社の立ち上げを宣言している。
 新会社の華晨出行服務有限公司は登録資本を1億人民元(約15億3000万円)に設定した。経営範囲はオンライン配車サービスのほか、車を流して客を拾う従来タクシーサービスや、新エネルギー車(NEV)販売、NEV用充電器販売、中古車売買仲介など幅広い。
 華晨の事業展開には、これまで偏重感があった。独BMWと折半出資で合弁経営する華晨宝馬汽車(華晨BMW)に業績成長を大きく依存。自主ブランド部門は生存危機にさらされてきた経緯がある。傘下自主ブランド車の2019年販売は、「華晨金杯」が前年比82.36%減の4万1000台、「中華」が78.29%減の2万5300台に沈んでいる。新型コロナウイルスの影響で、今年の自主ブランド車販売は一段の苦戦を強いられる状況だ。中国で自動車分野の外資出資比率制限が完全撤廃される22年が迫るなか、ビジネスモデルの変革は待ったなしだ。
 華晨の閻秉哲・董事長はこれ以前に公の場で、「オンライン配車予約サイトやビッグデータを手掛ける企業、さらに銀行、保険、投資など金融機関と連携し、スマートモビリティプラットフォームを共同で立ち上げる」との構想を披露。「自動車メーカーからモビリティサービスソリューション企業への転換を急ぐ」との戦略を打ち出した。
 中国では第一汽車集団、長安汽車、東風汽車、上海汽車、吉利汽車などの完成車メーカーがモビリティサービスに参入。自前の配車アプリサービスを提供している。
 遼寧省政府系の華晨中国は、華晨宝馬を通じてBMWシリーズの乗用車を生産。また、トヨタの技術供与を受けた華晨雷諾金杯汽車を通じ、小型バスやワンボックスカーも生産する。華晨雷諾金杯汽車に関しては、17年末に仏ルノーの出資を受け入れた上で社名変更し、合弁会社化した。
 合弁会社の持分を譲渡へ。18年10月、BMWに華晨宝馬の株式25%を290億人民元で売却すると発表した。華晨宝馬への出資比率は、華晨中国が25%、BMWが75%となる。売却手続きは遅くとも22年までに完了する見通しだ。


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