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  ニュース     2020/10/19 19:59

中国:コロナ鎮静化で製造業受注増、海外「巣ごもり消費」も追い風 無料記事

 コロナ禍からいち早く立ち直った中国で、製造業の受注が急速に拡大している。依然として感染拡大が深刻なインドなどからの発注シフトに加え、海外での「巣ごもり消費」拡大が追い風になっている状況だ。例えば、繊維製品や水回り製品などの受注が急増しているほか、家電などの輸出が拡大している。香港メディアが17日伝えた。
 広東省仏山市の浴室設備メーカー、粤華衛生潔具有限公司によれば、今年前半は厳しい経営を強いられたものの、ここ数カ月でスペインなどからの受注が急増。これに対応するため、製品の月産規模を従来の200個から800個に引き上げた。このほか、福建省アモイ市の蛇口メーカーでは、作業員を7000人から9000人に増やして受注拡大に対処しているという。
 繊維業界では、タイルやシーツなど主にインドで生産されていた製品の注文が中国に流れ込んでいる。ある工場では、積み上がった受注を消化するのに来年5月までかかる見通しだ。コロナ禍で大ダメージを受けた中国の繊維業界だが、足元ではこうした注文シフトが業況回復を後押ししている。
 また、コロナ流行が依然として懸念される海外で「巣ごもり消費」が拡大していることも中国製造業にとっての追い風だ。中国海関総署によると、ノートパソコン、家電の輸出額は今年1〜9月に前年同期比17.6%増、17.3%増となり、機電製品全体の伸び(3.2%)を上回った。
 ただ、業界関係者の間では注文シフトの「ボーナス」は長続きしないとの見方もある。インドなどの生産力が回復すれば、コスト競争力で劣る中国は再び受注を失う可能性があるとの見解だ。繊維などの労働集約型産業については、中国のコスト増加を受け、インドや東南アジアへの生産シフトが進んでいる。


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