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  ニュース     2021/01/22 19:00

中国:故宮からピカチュウまで、消費に活力“萌え経済” 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】愛らしいキャラクター商品やペットなどを愛でる「萌え文化」が近年、中国の消費で重要なエネルギーになっている。日本発祥のキャラクターもその一端を担う一方、中国では故宮博物院などの伝統施設でも浸透し始めた。工人日報が20日付で伝えた。
 中国では2019年、日本のキャラクター「ポケットモンスター」の「ピカチュウ」を主人公とした映画「名探偵ピカチュウ」の興行成績が好調を記録。1日当たりのチケット販売では10数日にわたり1位を獲得し続け、興行収入は5億人民元(約80億円)規模に達した。「ポケットモンスター」関係版権収入の純利益は、過去20年間で900億米ドル(約932兆円)を超え、ゲーム・アニメの知的財産(IP)として世界首位に立ったとみられている。
 このほか中国では、2019年にユニクロと米国アーティストのキャラクター、「KAWS:SUMMER(カウズ:サマー)」のコラボレーションTシャツが人気を博した。日本のキャラクターとしては、熊本県の「くまモン」も、2011〜13年にかけて68億人民元の経済効果を生んだとして知られている。
 こうした流れを重視し、中国では600年の歴史を誇る北京市の故宮博物院でも「萌え人形」の発売を開始。同院のキャラクターIP商品に育っている。
 また中国では近年、空前ともいえるペットブームの最中だ。企業情報検索サイト「天眼査」が20年11月に発表したデータでは、ペット関連産業の企業が67万社あることがわかっている。同年1〜10月にかけては、前年同期比で76%も増加した。
 中国科学院大学の専門家は、「萌え文化と体験式の消費が結びつき、消費者の相互交流が進んで顧客へとつながる」と指摘。「消費者が商品に共感し、企業の商業活動に嫌悪感を持たなければ、多大な熱意で拡散する力になる」と説明した。また、別の関係者も漫画・アニメ市場の将来性に言及。IPを中心に巨大なサプライチェーンが形成できるとの期待感を語っている。



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