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  ニュース     2020/10/14 19:00

中国:華為「栄耀」事業を一部売却か、神州数碼など買い手候補 無料記事

 通信機器メーカー中国最大手の華為技術(ファーウェイ)が米国の制裁措置を受け、スマートフォンのサブブランド「栄耀(Honor)」を売却するとの観測があらためて浮上している。ロイター通信が14日、消息筋情報として報じたところによると、同社は「栄耀」事業の一部を売却することを検討中。売却先としては、「栄耀」ブランドの代理販売を手掛ける神州数碼集団(000034/SZ)が有力候補だが、TCLや小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)も潜在的な買い手として名前が挙がっているという。
 報道によると、取引は全額現金で行われ、価格は150億〜250億人民元(約2300億〜3900億円)となる見通し。売却される資産はまだ確定していないが、「栄耀」のブランド、研究開発部門、関連するサプライチェーン管理事業などが含まれる可能性がある。
 米国の制裁発動で苦戦する中、ファーウェイは若年層向けの「栄耀」ブランドを一部切り離し、ハイエンドの「華為」ブランドに集中する考え。2013年に始動した「栄耀」ブランドは、小米、OPPO広東移動通信などを競合先とし、東南アジアや欧州でも販売されている。
 これまでの報道によると、アップル関連の著名アナリストとして知られ、モバイル分野の分析力に定評がある天風国際証券の著名アナリスト、郭明キ氏がファーウェイによる「栄耀」売却の可能性を指摘。これが現実となれば、「栄耀」ブランドやそのサプライヤー、中国の電子業界全体にとってプラスとなる見通しと分析している。ファーウェイからの切り離しにより、「栄耀」は部品調達などの面で米制裁の影響を回避することが可能だ。また、ファーウェイから独立したとしても、「栄耀」は中国で一定の認知度を維持できると郭氏はみている。
 なお、買い手候補として名前の挙がった神州数碼集団は、香港上場の神州数碼HD(デジタル・チャイナ:861/HK)から16年にIT製品販売事業を買収する形で成立した。


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