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  ニュース     2021/01/15 19:00

香港のBNO旅券保有者、中国が公職禁止検討か 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】1997年の中国返還以前に生まれた香港市民が持つことができる「英国海外市民(BNO)旅券」について、中国は同旅券保持者が香港の公職に就くことを禁止する方向で検討を進めているもようだ。香港英字紙のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が13日、消息筋情報として伝えたもの。投票権をはく奪する可能性もあるという。
 報道によると、関連議題は今月20〜22日に開かれる全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の会議で話し合われる見通し。ただ、この会議で最終結論が出るかは不明という。公職禁止については「法的根拠がある」として総じて賛成意見が多いが、投票権はく奪に関しては法律上の複雑な問題に絡むため、中国当局内でも見解が分かれているようだ。
 香港人にも適用される中国の「国籍法」では、二重国籍を持つことが認められていない。中国外交部は2020年7月、BNO旅券を「有効な旅券として認めない」と表明している。
 一方、英政府は「香港国家安全維持法(国安法)」への抗議措置として、今月31日からBNO旅券保持者とその扶養親族に対し、英国市民権の取得につながる特別ビザ(査証)の申請受付を開始する予定。英政府は今後5年間で約26万〜32万人の香港市民が英国に移る可能性があると予測している。
 なお、香港メディアによると、米バンク・オブ・アメリカ(BofA)は最新リポートで、BNO旅券保持者の英国移民により、21年に2800億香港ドル(約3兆7480億円)の資金が香港から英国に流出すると試算。これは20年に香港に純流入した資金の半分の規模に相当する。


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