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  ニュース     2020/10/26 19:59

米上場の中国理想汽車、「L2」走行中に再び追突事故 無料記事

 中国で電気自動車(EV)の事故が相次ぎ報告されている。理想汽車(LI/NASDAQ)の第1弾量産モデルが事故を起こした。京港澳高速の起点から761キロメートル地点で20日19時30分、同社製の「理想ONE」が前方のセミトレーラーに追突したという。経済日報などが23日付で伝えた。
 事故の発生時、補助自動運転モードで走行していたという。補助自動運転システム、安全システムが起動していたにもかかわらず、前方の貨物車が識別できなかった。危険を察知した警告音もなく、エアバックも作動していない。衝突前は時速111キロメートルで定速走行し、右前面がレーラーに追突した。高速走行していたものの、幸いにも死傷者は報告されていない。
 「理想ONE」は9月22日にも、類似の状態で追突事故を起こしている。「青島G18」の高速道上でトラックに衝突した。夜間に発生し、エアバックが作動しなかった経緯がある。
 原因などの詳細は明らかにされていない。「理想ONE」は「L2」レベルの自動運転技術を搭載しているとされる。
 2019年12月から本格出荷したものの、「理想ONE」はアクセル、ブレーキ、動力電池、車軸の不具合を訴える車オーナーの声が短期間内に寄せられた。うち車軸の断裂は、1年足らずの期間に6回も報告されている。会社側は「自動車本体に異常はみられない」といずれもコメントしたものの、車両の不具合に関する疑念は払しょくされていない状況だ。
 理想汽車は15年7月の設立。国から支給されるNEC補助金分を差し引いた小売販売価格は32万8000人民元(約515万円)に設定している。これまで理想汽車は、社名変更を繰り返した。親会社の交代などを通じ、重慶専用汽車製造総廠→重慶力帆汽車有限公司→重慶理想智造汽車有限公司→理想汽車に更新している。
 7月30日、米ナスダックに新規上場した。会社側は9500万単位の米国預託株式(ADS)を売り出し、約11億米ドルを調達している(1ADS=クラスA株2株)。中国の新エネルギー車(NEV)メーカーとして、蔚来汽車(NIO/NYSE)に続く2社目に米国上場した。


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