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  ニュース     2020/11/25 19:59

中国:人材不足シーズン前倒し、スマート製造は高給化へ 無料記事

 コロナ禍を克服して消費や製造が中国で回復基調をたどるなか、様々な業界で人材需要が目立って拡大している。例年は旧正月前に季節性の人材不足シーズンが訪れるが、これが前倒しとなっている状態だ。特に製造業の高効率化が進む部門で、スマートマニュファクチャリング人材の不足が際立っている。央視財経が23日伝えた。
 統計によると、2020年の求職者数は第2四半期の74万3000人から第3四半期の49万2000人まで34%減少している。半面、企業の求人数は第2四半期の74万6000人から第3四半期の82万4000人まで10%増加し、急激な売り手市場が到来した。人材不足が大きい100業種のうち上位3位はサービス業で占められている。トップは営業員、次いで清掃員と飲食店員だった。
 一方、下半期に入り製造業の受注が回復したことで、ブルーカラー人材の需要は急拡大している。過去数年で一部の技術職人材は一般ホワイトカラーよりも給与水準が高くなりつつあるが、2020年は傾向がさらに顕在化した。特に家具や厨房機器、印刷など伝統的な製造業で人手不足が目立つ。スマートマニュファクチャリングを進める企業では、大量の一般人材の募集圧力からは解放されたものの、高性能機材を扱える人材の不足が主な悩みとなった。
 人材不足が著しい100業種のうち、新たにランク入りした19業種は製造業に関連する。計量器製造、自動車部品再生、組み立てや工具の仕上げ工などで不足問題が深刻化した。近年はブルーカラーでも特殊技術者の給与水準が急上昇し、1万人民元(約15万9000円)超えの募集も存在する。2020年大学新卒の平均給与額5290人民元と比べても高い水準だ。とはいえ、製造業関連の専門を学ぶ学生でも、約40%は製造業への就職を望まないというデータもある。給与額より職場環境を重視する傾向は、若年層の間で年々強まっているようだ。


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