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  ニュース     2024/03/05 11:50

中国:全人代で24年GDP成長「5%前後」、財政政策「適度に強化」 無料記事

 中国北京市の人民大会堂で5日、第14期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第2回会議が開幕した。11日まで7日間の日程で開催される。開幕式では、李強・首相が就任後初となる「政府活動報告」を読み上げ、2024年の国内総生産(GDP)成長率目標を「5%前後」とする方針を表明。目標値は前年と同水準に設定された。外電によると、23年は新型コロナウイルス禍の反動増もあったため、今年の成長目標達成は難しいとみる向きもある。23年の実質成長率は5.2%だった。

 李首相は24年の基本政策方針として、財政政策を「適度に強化し、質と効率を向上させる」と説明。対GDPの財政赤字比率を3%とする方針を示した。これは23年の改定後目標値(3.8%)を下回る水準だ。ただ、通常予算には含まれない特別国債を発行する方針も表明。国家重大戦略の実施に向けた資金を調達するため、数年連続で超長期特別国債を発行する計画で、24年はまず1兆人民元を発行する予定とした。このほか、地方政府の専項債(公益事業向け資金調達を行う特別地方債)発行枠を3兆9000億人民元とし、前年予算(3兆8000億人民元)から1000億人民元の幅で引き上げている。

 金融政策については、「柔軟かつ適度で、正確、効果的なものとする必要がある」と説明。流動性を合理的で十分な水準に維持し、経済成長やインフレ率とバランスの取れたペースで社会融資規模、マネーサプライの伸びを確保する方針とした。

 また、「現代化産業システムの構築」を重要政策の上位に挙げた。スマート新エネルギー自動車(NEV)などの産業における優位性を強化するほか、水素エネルギー、新素材、創薬などの産業の発展を加速させ、バイオ製造、商業宇宙、低空経済などの新たな成長エンジンを育成する方針。ビッグデータや人工知能(AI)の応用を一段と深化させる考えも示した。

 その次の重要政策として、「内需の拡大」にも引き続き力を入れる構え。スマート家電、文化・娯楽・観光、スポーツ、国産ブランドなど、新たな消費の成長エンジンを育成していく。また、消費財の「以旧換新」(買い替え)を奨励し、NEVや電子製品の消費を刺激する方針とした。

 このほか、政府活動報告で示された24年の政策主旨は次の通り。

【数値目標】消費者物価指数(CPI)の抑制目標は3%前後とする。雇用面では、都市部の新規就業者数を1200万人以上、都市部の調査失業率は5.5%前後を目指す。食糧(穀物、豆類、イモ類)生産量は1兆3000億斤(=6500億キロ)以上を確保する。これら数値目標はいずれも前年目標と同水準に設定された。

【改革深化】国有、民営、外資、各所有制企業の公平な競争環境を創造する。民営企業の発展を促すための措置を実施し、市場参入、権利保護などの面の課題を是正していく。

【対外開放】外資参入のネガティブリストを引き続き縮小し、製造業における外資参入制限措置を全面的に廃止する。通信、医療などサービス業における参入規制を緩和していく。

【重点分野のリスク防止】不動産、地方債務、中小金融機関を重点分野として列挙。うち不動産に関しては、関連政策を最適化し、国有・民営にかかわらず各種所有制のデベロッパーの資金需要を平等に満たす方針とした。一方、「住宅は住むためのもので、投機の対象ではない」との文言は盛り込まれなかったが、低所得者向け「保障性住宅」の供給を拡大する考えなどが示された。


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