ニュース 2024/05/10 15:22
香港マーケットで家電株が好調、「脱不動産化」に期待感
台湾・香港
【亜州ビジネス編集部】香港株式市場では足元で、家電セクターの好調が目立つ。個別では、TCL電子HD(TCLエレクトロニクス・ホールディングス:1070/HK)が直近60営業日で累計115%値上がりしたほか、海信家電集団(ハイセンス・ホーム・アプライアンシズ・グループ:921/HK)の上昇率も78%に達した。中国政府による「以旧換新(買い替え)」推進政策に加え、家電業界の「脱不動産化」が進んでいることが追い風だ。智通財経が10日伝えた。
株式市場において、家電業界は不動産業界との関連性が高いとみなされてきた。住宅販売が低迷すれば、家電の需要も縮小するとの見方からで、「不動産業界がくしゃみをすれば、家電業界が風邪をひく」といった言い回しもあるほどだ。香港マーケットではこれまで、住宅販売の低迷期に家電セクターの株価も大幅調整していた。
ただ、23年は住宅販売の低迷が続いたにもかかわらず、家電の販売は総じて堅調に推移。国金証券のリポートによると、2023年の国内販売はエアコンが前年比13.8%増、冷蔵庫が5.5%増、洗濯機が3.0%増となった。今年もこの流れが続き、エアコン販売は第1四半期(1~3月)に前年同期比で17.0%増加。冷蔵庫は1~2月に6.0%の伸びを示した。
輸出も23年下半期から回復傾向。エアコンの対外販売は24年第1四半期に21.8%増、冷蔵庫は1~2月に38.4%増、洗濯機は同39.6%増で推移している。
このように、家電業界は不動産業界による影響を脱し、独自の成長期に突入しつつある。その要因の一つは、家電の更新サイクルだ。智通財経によると、09~13年にかけて実施された「家電下郷」「以旧換新」などの政策で購入された家電が10~12年の耐用年数を終え、買い替え期に突入しているという。
こうした中で、家電セクターの株価も足元で好調だ。業況の堅調さに加え、今年3月に発表された消費財の買い替え促進策も追い風となっている。国務院(内閣に相当)は家電の買い替えを促すとともに、27年までの数値目標として老朽家電の回収数を23年比で30%増やす方針などを明らかにした。国家発展改革委員会はある機関の予測値として、同政策による自動車や家電製品の買い替え需要は1兆人民元(約21兆円)を超えると説明している。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
株式市場において、家電業界は不動産業界との関連性が高いとみなされてきた。住宅販売が低迷すれば、家電の需要も縮小するとの見方からで、「不動産業界がくしゃみをすれば、家電業界が風邪をひく」といった言い回しもあるほどだ。香港マーケットではこれまで、住宅販売の低迷期に家電セクターの株価も大幅調整していた。
ただ、23年は住宅販売の低迷が続いたにもかかわらず、家電の販売は総じて堅調に推移。国金証券のリポートによると、2023年の国内販売はエアコンが前年比13.8%増、冷蔵庫が5.5%増、洗濯機が3.0%増となった。今年もこの流れが続き、エアコン販売は第1四半期(1~3月)に前年同期比で17.0%増加。冷蔵庫は1~2月に6.0%の伸びを示した。
輸出も23年下半期から回復傾向。エアコンの対外販売は24年第1四半期に21.8%増、冷蔵庫は1~2月に38.4%増、洗濯機は同39.6%増で推移している。
このように、家電業界は不動産業界による影響を脱し、独自の成長期に突入しつつある。その要因の一つは、家電の更新サイクルだ。智通財経によると、09~13年にかけて実施された「家電下郷」「以旧換新」などの政策で購入された家電が10~12年の耐用年数を終え、買い替え期に突入しているという。
こうした中で、家電セクターの株価も足元で好調だ。業況の堅調さに加え、今年3月に発表された消費財の買い替え促進策も追い風となっている。国務院(内閣に相当)は家電の買い替えを促すとともに、27年までの数値目標として老朽家電の回収数を23年比で30%増やす方針などを明らかにした。国家発展改革委員会はある機関の予測値として、同政策による自動車や家電製品の買い替え需要は1兆人民元(約21兆円)を超えると説明している。
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