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  ニュース     2023/08/01 09:53

中国:9月からドローン輸出規制、「安全保障」理由に 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】商務部など中国の関連部門は7月31日、一部の無人機(ドローン)と関連機器の輸出を9月1日付で規制すると発表した。実施期間は2年間。「国家の安全と利益を守る」ための措置で、国務院(内閣に相当)と中央軍事委員会の承認を経て決定した。一定基準を上回るなどドローンのほか、そのエンジンやレーザー装置、対ドローンシステムなどが規制対象になる。
 規制の対象となるのは、操縦者の視界外でも飛行でき、◆連続飛行時間30分以上、◆最大離陸重量7キログラム以上または機体重量4キログラム以上、◆武器の投下機能や高性能のレーダー装置などを搭載しているもの――などの条件に該当するドローン。当局の許可を得ずに輸出することが禁止される。また、大量破壊兵器の拡散や軍事目的に使われることを輸出業者が知り得る場合は輸出を認めない。
 現地メディアによると、商務部の報道官は「高性能ドローンは一定の軍事的特性を持ち、輸出規制を行うことは国際的な慣行だ」と説明。中国も2002年から段階的にドローンに対する輸出管理を実施してきたと説明した。「ドローン技術の急速な発展と応用シーンの拡大に伴い、高性能な民生用ドローンの一部が軍事用に転用されるリスクが高まっている」とした上で、主要な生産・輸出国として、中国はドローンに対する輸出規制を適切に拡大することを決めたと説明している。「特定の国・地域をターゲットにしたものではない」と強調した。
 ドローン大手の大疆創新科技有限公司(DJI)は、ドローンに関する輸出規制を順守するとコメント。また、「軍事用の製品や機器を設計・製造したことはなく、いかなる国でも軍事や戦争向けに製品を販売したことはない」と説明した。


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