【亜州ビジネス編集部】中国で23日、杭州アジア大会が開幕する。中国で開催される国際イベントとしては、新型コロナウイルスの感染拡大後では最大規模。ラジオ・フランス・アンテルナショナル（RFI）によると、中国経済の先行きが不透明な中、「ぜいたくなイベント」が行われることに、一部では不満の声も上がっているという。
　報道によると、同大会では極めて豪華な競技施設56カ所と練習場31カ所が建設された。交通インフラや宿泊施設の整備を含め、約300億米ドル（約4兆4400億円）の巨費が投じられたとロイター通信は報じている。
　RFIの取材に対し、杭州市民は「アジア大会に投じた資金を庶民や若者に使ってくれれば良かった」と語った。「今は仕事探しが難しく、会社も倒産している。若者の生活は容易ではない」と嘆く。
　台湾メディアの中央通信社によると、米パシフィク大学でスポーツ政治学を研究するジュールズ・ボイコフ教授は「杭州アジア大会の成功により、国内には権力を誇示し、世界には中国の最良の一面を見せることが可能」と話している。
　また、北京駐在のスポーツ記者、マーク・ドライヤー氏は「中国選手がメダルを取れば、社会の雰囲気は盛り上がる。2008年の北京夏季五輪、22年の北京冬季五輪でも、準備の際は色々な問題があったが、試合が始まると社会の情緒が一変した」と語った。


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