【亜州ビジネス編集部】高級酒の市場にもデフレの兆しが表れた。甲辰（きのえたつ）の干支を迎えた2024年、白酒（中国の蒸留酒）最大手の貴州茅台酒（貴州マオタイ：600519/SH）が新発売した辰年記念版製品が値崩れしている。あるインターネット通販サイトでは、アルコール53度の「甲辰竜年貴州茅台酒（竜茅）」現物売値が10日時点で1瓶5229人民元（約10万6150円）に低下した。8日時点の7700人民元超から32％値下がりしている。中国証券報が11日付で伝えた。
　複数の流通業者によると、竜茅のネット小売価格は10日時点で4500～4700人民元まで低下している。白酒の需要不足問題が深刻化するなか、価格を吊り上げる投機的な行為は見られなくなった。多数の販売業者が卸値で入手した後、小幅利益で転売している実態を示すという。
　卸値の下落も目立った。竜茅の1瓶卸値は、9日の6000人民元から10日の4100人民元まで32％急落したという。
　貴州茅台酒は14年以来、甲午馬年版、乙未羊年版、丙申猴年版、丁酉鶏年版、戊戌狗年版、乙亥猪年版、庚子鼠年版、辛丑牛年版、壬寅虎年版、癸卯兔年版など干支にちなんだ限定版を毎年投入してきた。24年は11種目の甲辰竜年版が限定販売されている。
　ECサイト「淘宝網」では、甲午馬年版、乙未羊年版の価格が高めに提示されている。それぞれ1瓶で2万人民元近く、3万人民元超だ。しかしながら、丙申猴年版は5000人民元超、辛丑牛年版、庚子鼠年版、乙亥猪年版、戊戌狗年版、丁酉鶏年版、癸卯兔年版は3000～4000人民元の低価格に放置されている。


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