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  ニュース     2024/02/21 17:24

中国:動力電池も価格競争激化、生産過剰で買い手市場に 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】動力電池の低コスト化が進展している。新技術の導入と生産規模の拡大を通じ、新エネルギー自動車(NEV)産業は、ここに来て動力電池の不足問題から脱却した。2023年の国内販売量は、中国全体で前年比32.4%増の616.3GWh(6億1630万kWh)に伸びが鈍化している。NEVへの搭載量も32.0%増に伸び悩んだ。半面、動力電池の生産能力は6割も急拡大している。証券日報が21日付で伝えた。
 動力電池世界大手の寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)は、複数の自動車メーカーに対し、VDE(ドイツ電気技術者協会)規格を満たした173アンペア時のリン酸鉄リチウム電池セル供給計画を打ち出した。1Wh当たりの大口販売価格を0.4人民元(約8.3円)に設定し、20万人民元以下の純電気自動車(BEV)に搭載するよう提案している。
 一方、動力電池とNEVの生産大手、比亜迪(BYD:1211/HK)もさらなるコスト削減に動き出した。傘下の弗迪電池(findreams battery)を通じ、生産コストの引き下げ戦略に着手している。
 動力電池業界の競争が激化するなか、価格の低下も進みそうだ。専門家によると、シェア確保を重視する各動力電池メーカーは、値下げを繰り返している。1Wh当たりの販売価格が0.3人民元/Whまで低下することは時間の問題だ。燃油車製品と比べても、NEV製品の価格優位性が生じる可能性もあるという。その半面、価格競争に追随できない中小メーカーは、資金繰り悪化や在庫損失計上で市場から淘汰される恐れがあると指摘した。


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