車両購入税の免税措置を追い風に、中国各地の新エネルギー自動車（NEV）販売が伸びている。うち湖南省の統計によると、車両購入税の免税手続き件数は、今年1～7月の累計で前年同期比58.2％増の15万2500件（台）に上った。これによる免税額は、44.13％増の22億1100万人民元（約456億円）に拡大している。中国新聞網が8月30日付で伝えた。

　湖南省には比亜迪（BYD）の長沙工場、北京汽車（BAIC）の株洲工場、中車時代のNEV工場など、10社以上のNEV製造企業が活躍している。NEVの年産台数はエリア別で中国4位に浮上した。販売コストの低下を受けて、NEV製品の好調な売れ行きが続いている。

　湖南省でディーラー事業を手掛ける湖南キン源汽車銷售有限公司によると、今年のNEV販売は、年初来の累計で前年同期比13％増の950台に上った。NEVの車両購入税免除、自動車買い替えの奨励策が販売を上向かせている。NEV製品の見学や試乗をする消費者の数は明らかに増加した。旧車買い替えによる販売は、NEV総販売台数の4割を占めているという。

　湖南省は今年に入り、リチウム電池とエネルギー貯蔵材料産業の振興を図る3カ年行動計画を発表した。電池産業規模の拡大を通じ、NEV産業の成長を支援する狙いがある。

　中国財政部や税務総局、工業情報化部は2023年6月21日、NEV車両購入税優遇の延長を連名で発表した。24年1月1日～12月31日購入のNEVには購入税全額、26年1月1日～27年12月31日購入のNEVには購入税半額をそれぞれ減免すると通知。また、減税額の上限は2024～25年で1台当たり3万人民元、26年以降で1万5000人民元とする。

　NEV車両購入税は約10％に設定されているため、限度額の影響を受けない価格帯は30万人民元以下の指定モデルとなる。NEVの車両購入税減税は14年から始動した。足元で4回延期されている。一方、ガソリン車の購入税減税は22年末に満了した。


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