【亜州ビジネス編集部】中国家電大手の海爾集団（ハイアール）が自動車関連分野向けの投資を拡大している。ハイアール傘下のカ泰馳控股（Cartech Holding Company）は20日、汽車之家（Autohome：ATHM/NYSE、2518/HK）の株式41.91％を購入すると発表した。総額18億米ドル（2700億円）を投じ、中国平安財産保険股フン有限公司系の雲辰資本（Yun Chen Capital Cayman）から買い取る。21世紀経済報道などが伝えた。

　中国平安財産保険は引き続き主要株主の座を維持する。筆頭株主となるハイアールグループは、汽車之家の経営権を掌握する目的だ。自動車情報プラットフォームを手に入れる。

　製造業や産業用IoT（IIoT）プラットフォームの領域で豊富な経験を擁するハイアールは、中古車売買仲介・情報プラットフォームの「カ泰馳」を通じ、2024年7月にオンラインのインタラクティブモールを開設した。江蘇省の張家港市で中古車の再整備工場を立ち上げている。汽車之家を買収することで、産業からエンドユーザーへの接点をさらに強化する狙いだ。

　中国汽車流通協会（CADA）によると、カ泰馳の中古車売買台数は、2024年の統計で全国2位に躍進し、最大手の澳康達に次ぐ地位を手に入れた。

　汽車之家は中国で代表的な自動車メディアプラットフォーム。包括的なユーザーベースと多角的なビジネスモデルを持ち、管理チームや人材も充実している。ただ、近年は業界競争が激化し、自動車市場が変動する中でサイトアクセスや広告収入の伸び悩みが指摘されてきた。

　中国の中古車取引市場規模は、拡大を続けている。CADAの統計によると、2024年12月の中古車取引は、全国で前年同月比14.40％増の190万200台に伸びた。前月比では6.42％増加し、月次過去最多を記録している。売買額は1199億6200万人民元に達した。

　24年通年では、全体の取引数が前年比6.52％増の1961万4200台。売買額は1兆2852億500万人民元に膨らんだ。取引台数、取引額ともに過去最多を更新している。


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