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  ニュース     2025/03/05 12:44 NEW!!

中国:全人代で25年GDP成長「5%前後」、内需拡大を筆頭任務に 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国北京市の人民大会堂で5日、第14期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第3回会議が開幕した。11日まで7日間の日程で開催される。開幕式では、李強・首相が「政府活動報告」を読み上げ、2025年の国内総生産(GDP)成長率目標を「5%前後」とする方針を表明。目標値は前年と同水準に設定された。24年の実質成長率は5.0%だった。

 李首相は25年の基本政策方針として、「より積極的な」財政政策と「適度に緩和的な」金融政策を実施することを表明。昨年末の中央経済工作会議での決定内容を踏襲した。25年の対GDP財政赤字比率は4%前後とする方針。これは24年の目標値(3%前後)を上回る水準だ。金融政策については、適時に金利や預金準備率を引き下げ、十分な流動性を確保する方針と説明。不動産、株式市場の健全な発展に一段と力を入れる考えとした。

 このほか、通常予算には含まれない特別国債を引き続き発行する方針も明らかにしている。超長期特別国債の発行枠は1兆3000億人民元とし、24年の1兆人民元から引き上げた。また、国有大型銀行の資本増強に向け、5000億人民元の特別国債を発行する。さらに、地方政府の専項債(公益事業向け資金調達を行う特別地方債)発行枠を4兆4000億人民元とし、前年予算(3兆9000億人民元)から5000億人民元の幅で引き上げた。

 25年の10大任務としては、「消費を強力に押し上げ、投資効率を高め、全方位で内需を拡大する」を筆頭に挙げた。「内需の拡大」は24年の10大任務では3番目に挙げられたが、今年は1番目に再浮上した形だ。消費財の買い替え補助政策「以旧換新」を支援するため、超長期特別国債の調達資金3000億人民元を配分する。また、各種規制の緩和を通じ、健康、養老、育児、家事サービスなどの供給を拡大する方針。このほか、デジタル、グリーン、スマートなど新型消費の発展を加速させる構えだ。

 2番目の任務としては、「地域の実情に応じた新質生産力を発展させ、現代化産業システムを構築する」を挙げた。商業宇宙、低空経済など新興産業の健全な発展を後押しするほか、バイオ製造、量子技術、エンボディドAI(人工知能)、6Gなどの未来産業を育成する。また、「AIプラス」構想を継続し、デジタル技術と製造の融合を推進。インテリジェントネットワークに接続された新エネルギー自動車(NEV)、AI搭載の携帯電話やパソコン、インテリジェント・ロボットなど、次世代のインテリジェント端末、製造設備を精力的に開発していく。

 このほか、政府活動報告では25年の各種数値目標が提示された。消費者物価指数(CPI)の抑制目標は2%前後とする(前年は3%前後)。雇用面では、都市部の新規就業者数を1200万人以上、都市部の調査失業率は5.5%前後を目指す(前年と同水準)。食糧(穀物、豆類、イモ類)生産量は1兆4000億斤(=7000億キロ)以上を確保する(前年は1兆3000億斤)。


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