【亜州ビジネス編集部】中国の公安部、国家インターネット情報弁公室（CAC）など6部門は23日、インターネットサービスを利用するための身分証制度を導入すると発表した。7月15日付で「国家網絡身分認証公共服務管理弁法」（国家ネットワーク身分認証公共サービス管理弁法）を施行する。希望すればネット番号と身分証を取得でき、公共サービスやSNSなどプラットフォーマーのサービスを利用する際、個人情報の代わりに事業者に提供する形となる。

　弁法によると、法定身分証番号に基づき、ネット利用専用の番号と身分証を発行する。中国の国民に付与される公民身分証番号には本籍地や生年月日、性別など多くの情報が含まれるが、ネット番号はランダムな英数字10文字で構成されるため、個人情報の漏えい防止に役立つという。

　中国国内の国民だけでなく、海外に住む中国国籍保有者、香港・マカオ住民、外国人永久居留証を保有する外国人もネット番号の取得が可能。ただ「自主的な申請」を建前としているが、事業者がネット番号の提供を義務づける可能性もある。現地では「ネットの規制強化」を懸念する声も上がっている状況だ。

　現地メディアによると、ネット身分証を発行する専用アプリのダウンロード数は足元で1600万回を超えた。申請者は600万人に達している。


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