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  ニュース     2019/09/13 19:52

中国:スイスABBの上海新工場、投資額162億円で正式着工 無料記事

 世界のロボット大手企業が新たな上海工場を整備する。スイスに本部を置くABBは12日、産業用ロボット工場と研究開発センターを浦東新区の康橋工業区で正式着工したと発表した。既存工場の隣接地を選定。総投資額を1億5000万米ドル(約162億円)に設定したうえで、2021年の稼働を目指す。中国新聞網などが伝えた。

 機械学習、デジタル化、協働の技術を集積した先端生産プロセスを持ち込む。自動化レベルと柔軟性を最高度に引き上げる計画だ。ロボットによってロボットを組み立てる新鋭工場として機能させる。敷地面積6万7000平方メートルの工業用地を確保した。研究開発センターでは、ロボットに絡んだ人工知能(AI)技術の開発に乗り出す。

 ABBのロボット活用ソリューションは、自動車、電子、飲食品、製薬、物流をはじめとする製造業に浸透している。同社によれば、中国は世界最大のロボット市場。2017年には、世界全体の3分の1が中国で販売された。また、他社を合わせた世界全体のロボット販売額は、足もとで年間約800億米ドルに拡大。2025年には1300億米ドルにまで膨らむ見通しという。

 ABBは1992年に中国に進出。累計の現地投資額は24億米ドルに達した。20都市にエンジニア2000人以上を配置している。上海工場の建設計画は2018年10月に発表した。上海当局から「19年の重大産業プロジェクト」に指定されている。

 ABB工場は世界に3拠点。今回着工した上海工場は、アジア市場全域を網羅する。既存の旧上海工場にとって代わる予定だ。このほかスウェーデン中部のヴェステロース工場は欧州顧客、米国ミシガン州南東部のオーバーンヒルズ工場は南北米州顧客にそれぞれサービスを提供している。

 一方、同じく世界大手のファナック(6954/東証)も上海工場を建設中。中国合弁の上海発那科機器人有限公司(上海ファナックロボティクス)は今年4月4日、上海市に新たな巨大工場を整備すると発表した。サッカー場40個分の広さに相当する431ムー(約29ヘクタール)の工業用地に15億人民元(約230億円)を投下。IoT(モノのインターネット)やAIなどの製造スマート化技術を取り入れたデジタル化生産ラインを設ける。

 第3期の上海工場として、「スーパースマートファクトリー」と命名した。敷地面積は第1期、第2期工場総面積の5倍規模に達し、ファナックの海外最大生産拠点となる。稼働後の年間生産額は100億人民元を見込む。研究開発、製品展示、販売の各拠点や、システムインテグレーション(SI)センター、サービス本部も設置。建物床面積は合計で30万平方メートルの規模を計画している。

 ファナックと上海電気集団の折半出資会社として、上海ファナックは1997年に設立された。上海市宝山区の第1期、第2期工場は、2010年と2014年にそれぞれ完成している。建屋床面積は約6万平方メートル。うち、SI事業や設備デバッグ、出荷検査などシステム工場で約4万平方メートルを占める。


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