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  ニュース     2020/04/01 18:59

中国:第1四半期の社債デフォルト18社、総額5860億円規模 無料記事

 社債のデフォルトが中国で相次いでいる。今年第1四半期は18社の社債40本が債務不履行に陥った。総額で386億4700万人民元(約5860億円)の規模。うち3月は5社の合計15本を数える。21世紀経済報道などが1日付で伝えた。
 上海清算所は3月30日、安徽省外経建設集団有限公司の2018年度第二期中期手形「18皖経建MTN002」が利払いを停止したと報告。代理者として社債保有者に払い込めない事態に陥ったと通知した。総額で3億人民元、表面利率7.50%。今回は3800万人民元の利払いが滞った。
 新型コロナウイルスの流行で企業経営が不安定化した要因が大きいとみられている。今後の状況に関しても慎重な分析が多い。中国の国内感染が抑制されるなか今後は経済活動が回復すると予想されるものの、世界全域に感染エリアが広がったことで、外需が縮小する懸念が急浮上したためだ。
 すでに中国では、1000本を超える社債が格付や格付見通しの下方修正に遭っている。債務不履行が続出するなか、米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは3月30日、中国の銀行5社に対するアウトルックを「ステーブル」から「ネガティブ」に引き下げた。これらは南京銀行、寧波銀行、 蘇州銀行、深セン農村商業銀行、広州農村商業銀行、富邦華一銀行。台湾資本で上海、深セン、天津、蘇州、南京、北京、武漢、成都、西安、重慶、広州に支店を置く富邦華一銀行以外は、地域展開型のエリア銀行となっている。
 中国企業社債の債務不履行は、14年に近年で初めて発生。2018〜19年にかけては、件数と規模が膨らみ続けた。金融情報ベンダーWindの統計によれば、19年通年の社債デフォルトは、合計179本の総額1444億800万人民元の規模。18年実績の125本、1209億6100万人民元と比較し、それぞれ43%、19%ずつ増えた。17年との比較では、デフォルト規模が4倍以上に拡大している。


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