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  ニュース     2020/06/05 18:59

BYDが新バッテリー「刀片電池」増産、20年末に6倍の12GWhへ 無料記事

 充電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)は、新たに開発した車載バッテリー「刀片電池」の増産を急ぐ。市場の反応が予想以上に好調なためで、重慶市に構える生産ラインの年産能力を2020年末までに12GWhに拡大する計画だ。これは現在の年産能力(2GWh)の6倍に相当する規模。その後も設備拡張を進め、21年末には20GWhまで引き上げる計画という。中国メディアが5日伝えた。
 このほか、長沙市(湖南省)、貴陽市(貴州省)の工場でも21年に「刀片電池」の生産を始める予定。21年末の年産能力はそれぞれ10GWhとなる見通しだ。設計年産能力は最大で各20GWhを見込む。
 BYDが開発した「刀片電池」はリン酸鉄系(LFP)電池で、「コバルトフリー電池」の一種。セルの形が刀に似ていることから、こう名付けられた。単体のエネルギー密度では三元系電池に及ばないものの、コストが低く、安全性が高く、寿命が長いという特長を持つ。データによれば、「刀片電池」は3000回以上の充電が可能で、120万キロの走行が可能とされる。
 市場では現在、LFPバッテリーへの注目が高まる状況だ。コバルトは世界規模で枯渇が懸念されているためで、寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)のほか、パナソニック(6752/東証1部)、韓国LGなどの大手が「コバルトフリー電池」の開発に注力している。
 二次電池メーカーとして発足した後、BYDは携帯端末の組立、自動車の生産に参入。小型ガソリン車のほか、PHVやEVを生産・開発する。2009年5月にVW、10年3月にダイムラーと業務提携。ダイムラーとは、EV研究開発の折半出資会社を設立した。米著名投資家バフェット氏が戦略投資家に。09年に同氏の投資会社バークシャー・ハサウェイの子会社が出資、株式8%を保有している。


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