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  ニュース     2020/02/27 19:09

中国:「車載エレクトロニクス」10兆円市場に、CASEに巨大商機 無料記事

 自動車産業がCASE(コネクティッド化、自動運転化、シェアリング化、電動化)の大変革期を迎えるなか、車載エレクトロニクス業界が脚光を浴びている。前瞻産業研究院によると、20年の中国カーエレクトロニクス市場規模は6600億人民元(約10兆3790億円)に拡大。25年には8800億人民元を突破し、9000億人民元に迫る規模にまで膨張すると予測されている。上海証券報が26日付で伝えた。

 中国株式市場は25日、情報機器部品大手の欧菲光集団(オー・フィルム・テック:002456/SZ)、ハイテク自動車部品メーカーの寧波均勝電子(ニンボー・ジョイソン・エレクトロニック:600699/SH)、自動運転システム開発の深セン市路暢科技(002813/SZ)など、IoV(車インターネット)関連セクターがそろってストップ高まで買われている。前日の24日に国家発展改革委員会が「スマート自動車イノベーション発展戦略」(以下、発展戦略)を公布したことがポジティブ材料視された。「この発展戦略で真っ先に恩恵を受けるのは、車両制御の高機能化や高精度化に欠かせないカーエレクトロニクス業界」との思惑が広がったという。

 自動運転車などに代表される「スマートカー」は、次世代カーとして中国が普及推進する「インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)」を指す。今回の「発展戦略」では、条件付き自動運転機能を備えたスマートカーの量産、高度自動運転スマートカーの特定環境下での市場化応用――などを25年に実現するという工程表を定めた。

 ICV化に伴って、完成車製造コストに占めるエレクトロニクス製品の比率は、急ピッチな上昇を記録するだろう。あるデータでは、20年に全体の34%、30年に50%水準に迫ると予測した。

 「発展戦略」の公布について業界関係者は、カーエレクトロニクス企業に巨大な成長チャンスをもたらすだけでなく、自動運転用の高精度3次元地図「ダイナミックマップ」や無線通信などを手掛ける企業群の存在感を高めると指摘。IoVの進化は、車載ナビゲーションの搭載率と利用率を一段と引き上げると展望した。

 地図・位置情報サービスを手がける北京四維図新科技(NavInfo)は、ダイナミックマップ領域で国内同業をリード。車載ナビ向けマップ市場のTOPシェアを握り続けている。19年2月、独BMWと自動運転地図及び関連サービスのライセンス契約を結んだ。BMWが中国で量産、販売するBMW、Mini、ロールスロイスなど各ブランド車に「レベル3」、またはそれ以上の自動運転地図サービスを提供する。


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