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  ニュース     2020/03/05 18:59

中国:ドローン「空中防衛」、新型コロナが商用化後押し 無料記事

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中国で、ドローン(小型無人機)が“空中防衛線”の役割を大いに発揮している。配送医療物資や生活必需品のスピーディな輸送を実現するだけでなく、接触感染のリスクを軽減させた。ドローンを活用した商用物流は足元で普及初期段階なだけに、人の手を介した物流とのコスト均衡点に至ってない。新型コロナ流行を機に活躍の場が広がれば、ドローン商用化の定着を後押しするとの期待感が高まっている。OFweek機器人網がこのほど伝えた。

 民間向け小型無人機(ドローン)世界最大手の大疆創新科技(DJI)は感染拡大後、1000万人民元(約1億5470万円)規模の基金を創設。各地のドローンパイロットや提携パートナーが農業用ドローンを用いた防疫活動に参加するよう後押ししている。

 また物流用ドローンメーカーの杭州迅蟻網絡科技(アントワーク)は、浙江省新昌県に自社製ドローンを投入。医療物資の配送に当たらせている。

 このほかドローンは、パトロールの役割も担う。杭州市のある農産品市場では、スピーカーとカメラを搭載したスマートドローンが上空から消費者らに買い物後の速やかな帰宅を呼び掛けた。このドローンは体温測定機(サーモグラフィー)も搭載。店の売り子や買い物客らの体温を自動測定後、そのデータを管理者のPC端末に自動伝送している。

 物流サービススタートアップのアントワークは2019年、医療物資配送に事業の軸足を転換した。感染発生前の時点で、浙江大学医学院附属第二医院と提携を結んでいる。

 アントワークのユ航・最高経営責任者は、「医療物資輸送はより多くの人にドローン物流の価値を認識してもらう好機。商用ドローンの運用コストを引き下げるには、規模の効果が不可欠だ」と指摘した。

 15年11月設立のアントワークは、16年に中国郵政局浙江支社と提携。山間いに位置する農村の「ラストワンマイル」市場を開拓してきた。18年には都市部のフードデリバリーに進出。スターバックスやケンタッキー・フライド・チキン(KFC)と相次ぎ協業関係を構築するとともに、杭州市上空のドローン飛行許可を得た。足元で杭州市余杭区に位置する「杭州未来科技城(サイエンスパーク)」内にドローンポートを数カ所設置。迅速なデリバリーネットワークを構築した。


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