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  ニュース     2020/04/06 19:03

中国:三大通信キャリアが5G投資加速、20年は前年4倍の2.8兆円規模 無料記事

 中国の三大通信キャリアが5G投資を加速している。音声通話やショートメッセージ、無線ネットワークなど個人消費者向け既存事業の成長が頭打ちとなるなか、新たなビジネスやサービスを生む5Gサービスを通じて、「5G+産業」、「インダストリアルIoT(IIoT)」などの法人向けマーケットを掘り起こしていく戦略を立てている。南方日報が3日付で伝えた。

 三大通信キャリアの固定資産投資額は、2019年の合算で前年比5.6%増の総額3030億人民元(約4兆6500億円)に拡大した。内訳は、中国電信(チャイナ・テレコム:728/HK)が776億人民元、中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が240億人民元、中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が564億人民元。うち5G投資に限ると、それぞれ93億人民元、240億人民元、79億人民元で推移した。

 これらは、19年の「5G商用元年」を見越して18年に立てた計画なだけにやや控え目な数値とみられる。この点を考慮しても、20年の5G投資予算は大幅に積み増されよう。

 通信3社の20年設備投資予算は、合算で前年比11.65%増の3348億人民元。うち5G向けは前年4倍の1803億人民元(約2兆7700億円)に設定されている。

 3社の具体予算額は、中国電信が設備投資850億人民元(前年実績比↑9.6%)、うち5G投資が453億人民元(↑387%)。中国移動が同1798億人民元(↑8.38%)、1000億人民元(↑317%)。中国聯通が同700億人民元、350億人民元(↑343%)となる。

 また、通信基地局運営の中国鉄塔(チャイナ・タワー:788/HK)は、20年設備投資に280億人民元の予算を計上。うち5G投資に5割超の170億人民元を充てる計画だ。通信3社に中国鉄塔を加えた4社では、20年の5G通信インフラ投資は2000億人民元に迫る規模に膨張すると試算された。

 20年は、「5G SA(独立ネットワーク)」の建設が大々的に推進される見通し。4Gのコアネットワークを利用するノンスタンドアローン(NSA)構成よりもコストが高くつく上、前世代4Gと比べて5Gは基地局数そのものも多くなるだけに、20年は5G向け投資が本格化することは必至だ。


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