ニュース 2020/04/06 19:02
中国で人工肺「ECMO」不足深刻、国産化の機運高まる
経済・統計
新型コロナウイルス重症者治療の「切り札」とされる人工心肺装置「体外式膜型人工肺(ECMO=エクモ)」の需要が中国で急拡大している。足元で海外輸入に完全依存しているだけに、設備調達や関連消耗品コストは割高だ。集中治療室ICUで2週間集中治療受けた場合の平均治療費は20万人民元(約306万円)にも上る。今回のコロナ大流行を教訓に、ECMOの国産化機運が高まる情勢という。中国政府系メディアが2日付で伝えた。
工業和信息化部(工業情報化部)装備工業一司の羅俊傑・司長は3月4日の記者会見で、湖北省の医療機関向けに67台のECMOを緊急調達したと発表。その後の追加調達や、医療支援チームの協力を通じ、合計100台以上のECMOを湖北省の医療機関に集中搬入したと報告した。ただ、それでも重症患者の対応に追い付いていない状況という。
中国の医療機関で導入されているECMOは、メドトロニック、メドス・メディジン・テクニック、マッケ、ソーリンの欧米ブランドが主流だ。中国医師協会体外生命支持専業委員会のデータによると、中国のECMO保有台数は18年末現在で約400台。うちマッケとソーリンの2ブランドが絶大なシェアを握っている。
ECMOの価格は1台当たり100万〜350万人民元。操作費・消耗材コストは平均5万人民元を要する。1日当たり1万人民元のICU治療費を加えると、2週間で20万人民元もの治療費がかかる計算だ。
ECMO導入台数も相対的に不足している。中国生物医学工程学会・体外循環分会(ELSO)の18年統計によると、ECMO治療を導入している中国の病院は260カ所。今回、海外から緊急調達されたECMOを加えても、国内保有台数は500台程度にとどまる。人口280万人ごとにECMOわずか1台を保有しているに過ぎない。一方、ドイツでは2万〜4万人に1台の比率に達している。米国でもECMO導入医療機関数が08年の病院108カ所から19年には病院264カ所に増えた。
使用コストの高さがECMO普及を阻む要因の一つになっているだけに、国産化は待ったなしの状況にあるという。すでに前進もみられた。深セン漢諾医療集団は中独連携開発チームを立ち上げ。3年の研究を経て、人工肺とポンプの設計に成功した。すでにECMO試作品の設計を終えている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
工業和信息化部(工業情報化部)装備工業一司の羅俊傑・司長は3月4日の記者会見で、湖北省の医療機関向けに67台のECMOを緊急調達したと発表。その後の追加調達や、医療支援チームの協力を通じ、合計100台以上のECMOを湖北省の医療機関に集中搬入したと報告した。ただ、それでも重症患者の対応に追い付いていない状況という。
中国の医療機関で導入されているECMOは、メドトロニック、メドス・メディジン・テクニック、マッケ、ソーリンの欧米ブランドが主流だ。中国医師協会体外生命支持専業委員会のデータによると、中国のECMO保有台数は18年末現在で約400台。うちマッケとソーリンの2ブランドが絶大なシェアを握っている。
ECMOの価格は1台当たり100万〜350万人民元。操作費・消耗材コストは平均5万人民元を要する。1日当たり1万人民元のICU治療費を加えると、2週間で20万人民元もの治療費がかかる計算だ。
ECMO導入台数も相対的に不足している。中国生物医学工程学会・体外循環分会(ELSO)の18年統計によると、ECMO治療を導入している中国の病院は260カ所。今回、海外から緊急調達されたECMOを加えても、国内保有台数は500台程度にとどまる。人口280万人ごとにECMOわずか1台を保有しているに過ぎない。一方、ドイツでは2万〜4万人に1台の比率に達している。米国でもECMO導入医療機関数が08年の病院108カ所から19年には病院264カ所に増えた。
使用コストの高さがECMO普及を阻む要因の一つになっているだけに、国産化は待ったなしの状況にあるという。すでに前進もみられた。深セン漢諾医療集団は中独連携開発チームを立ち上げ。3年の研究を経て、人工肺とポンプの設計に成功した。すでにECMO試作品の設計を終えている。
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