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  ニュース     2019/11/14 19:00

アリババは26日香港上場、5億株発行で最大134億米ドル調達へ 無料記事

 中国のEコマース最大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)が13日、香港での新規株式公開(IPO)に向けた手続きを開始した。ロイター通信などによると、15〜20日に公募を実施し、20日の値決めを予定。26日に取引を開始する運びだ。5億株の新株を発行する予定で、さらに7500万株のオーバーアロットメント枠を用意。調達額は最大で134億米ドル(約1兆4580億円)に上る見通しという。
 ロイターが入手した資料によると、アリババは新株5億株のうち97.5%を機関投資家向けに、残り2.5%を一般投資家向けに振り分ける。調達額は最大117億米ドルだが、オーバーアロットメントが行使されれば134億米ドルまで膨らむ。売買単位は100株。香港上場に先立つ今年7月、アリババは1対8の株式分割を実施済みだ(1株=1ADS→8株=1ADSに変更)。株式の流動性を高め、株主のすそ野を広げる狙いがある。
 仮条件に関する情報は伝わっていないが、ニューヨーク市場での12日終値(186.97米ドル)に基づくと、普通株の価値は1株当たり約183香港ドルとなる計算だ。最低買付代金は1万8300香港ドル(約25万円)となる。
 また、アリババも13日に仮目論見書(公開株数、仮条件など詳細は未記載)を公表。それによると、調達資金は◆商品・サービス拡充による利用者の増加、◆デジタル化推進による経営効率の向上、◆イノベーションの継続――に投入する計画だ。うち利用者の増加に向けては、例えばデリバリーサービス「餓了麼(Ele.me)」、旅行予約サイト「飛猪(Fliggy)」、オンライン動画サービス「優酷(Youku)」などへの投資を拡大すると説明している。
 アリババのIPOは今年最大の案件となる見通し。香港市場でのIPOとしては、2010年のAIAグループ(1299/HK)、06年の中国工商銀行(1398/HK)に次ぐ歴代3位の規模となる。
 話題の大型IPOを間近に控え、現地証券ブローカーはマージンローン(IPOに応募する個人投資家向けの融資)の融資枠を準備中。香港紙の明報は13日、複数ブローカーがすでに総額660億香港ドル(約9180億円)余りの融資枠を用意したと報じている。


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