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  ニュース     2020/06/17 18:59

世界競争力ランキングで香港2→5位に低下、中国も14→20位にダウン 無料記事

 スイスを拠点とする私立ビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が16日発表した2020年版の世界競争力ランキングで、香港は前年の2位から5位にランクダウンした。同ランキングは「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4項目を評価したもの。最新の順位では、シンガポールが前年に続き首位となる一方、米国は3→10位、中国本土は14→20位に大きく順位を落としている。
 香港のランクダウンについて、IMDは社会情勢の不安定化、景気の悪化、中国経済の影響が要因と説明した。一方で、「ここ数カ月の出来事は考慮していない」と言及。具体的な言及は避けたものの、「香港版国家安全法」のことを指したものとみられている。
 現地メディアによると、香港中文大学の専門家は、「香港版国家安全法」の成立が香港の競争力に直ちに影響することはないとの見方だ。ただ、同法成立によるデモの多発、社会の不安定化、米国の制裁措置などが競争力に影響する恐れはあると分析した。
 一方、大きくランクダウンした中国と米国について、IMDは貿易摩擦が両国の競争力に影響していると指摘した。米国は18年版のランキングでは首位だったが、その後は順位を落とす一方だ。中国については、16→11位にランクアップした台湾に追い抜かれている。
 なお、ランキング首位は前年に続きシンガポール。2位はデンマーク(前年8位)、3位はスイス(同4位)、4位はオランダ(同6位)、6位はスウェーデン(同9位)、7位はノルウェー(同11位)、8位はカナダ(同13位)、9位はアラブ首長国連邦(同5位)だった。日本は34位(同30位)に低下している。
 同ランキングはIMDが1989年以降、毎年発表しているもの。ランキングの上位に入った国・地域は、「企業の活動を支援する環境が整備されている程度が高いこと」を意味する。


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