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  ニュース     2020/11/12 18:59

中国:電動自転車の火災頻発、違法改造や非正規メンテに警鐘 無料記事

 電動自転車が普及するにつれ、違法改造などに起因した火災の増勢基調が鮮明だ。屋内で充電することで、火災が起きた際の被害が大きくなるだけに、中国各地の消防当局が注意喚起をしている。中国政府系メディアが9日付で伝えた。
 応急管理部消防救援局の統計によると、過去10年で冬から春にかけて、1件につき3人が死亡した電動自転車の火災は87件を数える。犠牲者数は413人に達した。2020年に入り上海市内だけでも火災件数は386件にも上る。20人が死亡、16人が負傷した。
 電動自転車は建物の階段や廊下、または室内に置かれることがあり、火災が一旦発生すると周囲の物品への延焼ペースが速い。煙や炎が非常口や避難経路を塞ぐ例も多く、複数の犠牲者が出やすいのが被害拡大の原因だ。
 北京市の消防当局による実験では、電動自転車の発火104秒後に空間温度は284度まで急上昇、煙の温度だけでも81度に達した。この煙が水平方向に秒速0.8メートル、垂直方向に秒速3〜4メートルで拡散。大量の一酸化炭素や二酸化炭素が含まれるため、短時間で窒息死してしまうという結果が明らかになった。
 上海市では居住区1万3000カ所のうち4000カ所に充電スポットが設置されているが、メンテナンス不足や消防設備の不備などが散見される。自宅内で充電する住民が結局多数を占める事実が火災リスクを引き上げているという。
 違法な電動自転車改造も火災の原因だ。出前など宅配業者の拡大もその一端となっている。長時間の高速運転を強いられる配達員の一部は、違法改造で大容量電池の搭載や、不適切な充電器の使用、可燃性の装飾などをしている。また、価格の安い非正規店で専門員以外によるメンテナンスを受けたり、自分でメンテナンスをすることなども火災リスクを高めてきた。


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