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  ニュース     2021/03/30 19:00

中国生産量全体に占める「新疆綿」比率拡大、20年に87% 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国の綿花生産に占める新疆ウイグル自治区の比率が拡大を続けている。中国産綿花の新疆産比率は、1949年の1%、2012年の50%超、20年の87%に上昇した。生産量、播種面積、単位面積当たり収量などは26年連続で中国首位にある。毎日経済新聞などが25日付で伝えた。

 中国の三大綿産地は、新疆、黄河流域、長江流域に分布する。2020/21年度の国内生産量は概算595万トンに達した。需要が780万トンに上るなか、不足分の185万トンを輸入する見通しとされる。

中国綿花市場の生産量と輸入量は、2016年が534万3000トンと90万トン、17年が565万3000トンと116万トン、18年が610万3000トンと157万トン、19年が588万9000トンと185万トン、20年が591万トンと216万トンで推移した。

 一方、新疆の生産量と播種面積は、16年が407万8000トンと2万596平方km、17年が456万6000トンと2万2174.7平方km、18年が511万1000トンと2万4913平方km、19年が500万2000トンと2万5405平方km、20年が516万1000トンと2万5019.3平方kmとなっている。

 エリア別の20年中国綿生産量比率は、新疆が87.32%、河北省が3.54%、山東省が3.10%、湖北省が1.83%、江西省が0.90%、その他が2.06%。不足分はブラジル、インドなどから輸入した。

 新疆当局は21年の綿花生産に関する計画を策定済み。生産過程の機械化比率を88%にまで引き上げる目標を設定した。機械作業の栽培面積をさらに160万ムー(約1067平方km)以上拡大するよう求めている。収穫作業の機械化比率については、前年比で4ポイントの上昇を見込んだ。

 このところ中国では、「新疆綿の使用拒否」を宣言した外国企業に対するボイコットの動きが続いている。動画サイト上には、米ナイキのシャツをはさみで切る映像などが拡散されているほか、スウェーデンのカジュアル衣料チェーン「H&M」の店舗前で抗議活動した住民が警備員に連れ去られる映像が流れた。山東省青島市では、販売中のある新築マンションに「ナイキとH&Mの衣料着用者の内覧を拒絶する」との語句が掲揚されたという。

 中国産綿花を原料とする糸や布は、約半数が輸出された。海関総署によると、中国の輸出総額は20年に17兆9300億人民元規模。うち7.4%は紡績業からだった。


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