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  ニュース     2020/11/26 19:00

中国:輸入冷凍食品からコロナ検出頻発、海外は疑問視 無料記事

 中国国家食品安全リスク評価センターの李寧副主任は25日の記者会見で、輸入冷凍食品からの新型コロナウイルス検出が頻発していると指摘した。ただ海外メディアの間では、他国では同様の例が確認されていないとして、中国の発表を疑問視する声も上がっている。

 李副主任は検出が頻発している要因について、一部の国で新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、ウイルスは低温下で長生きするため、輸入冷凍食品や包装材が運び役になっていると指摘した。さらに、中国当局が輸入食品に対するPCR検査を大規模に実施していることも一因としている。

 李副主任によると、輸入冷凍食品を食べたことで感染した例はない。ただ、遼寧省大連市、山東省青島市、天津市では輸入食品を運んだ作業員の中から感染者が出ており、警戒が必要という。

 中国国家海関総署(税関)は12日、作業員から感染者が出たことを理由に、20カ国99社の製品が一時輸入禁止になったことを明らかにしている。

 中国以外の国・地域では、冷凍食品の新型コロナ検査はほぼ行われていない。ニュージーランドで8月、低温倉庫の作業員1人が陽性になったが、食品が感染源である可能性は否定された。台湾当局もこのほど、輸入冷凍食品への検査を行ったが、ウイルスは検出されなかった。

 カナダ政府は11月初め、世界貿易機関(WTO)の会合で、中国が新型コロナウイルスを理由に食品の輸入を止めたことを「不合理な貿易規制」「科学的根拠がない」などと批判。オーストラリア、ブラジル、英国もこれに同調した。


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