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  ニュース     2020/12/04 20:00

中国:深セン空港が「ワクチン外交」ハブに、菜鳥も関与 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国が進める新型コロナウイルスの「ワクチン外交」で、深セン宝安国際空港(SZX)が輸送のハブとなる見通しだ。米CNNが報じたもので、同空港では温度管理が可能な貯蔵庫の設置が完了するなど、着々と準備が進展中。阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)傘下の物流サービス会社、菜鳥(cainiao)もワクチン輸送の一過程に関わる見込みという。
 報道によると、深セン国際空港のある倉庫内に白い隔壁が設けられ、その隔壁には内部の温度を示すディスプレイが設置されている。同エリアに入る作業員は2週間の隔離と防護服の着用が義務付けられているという。貯蔵庫の面積は350平方メートルで、ここを出発地とし、中国産ワクチンが世界各地に輸送される予定だ。
 米ファイザーが開発したワクチンは輸送などの際、マイナス70度前後という低温での管理が必要だが、中国産ワクチンの多くは冷凍貯蔵が不要。このため、輸送時の管理はファイザー製に比べて容易とされる。
 新型コロナウイルスのワクチン開発において、中国は世界への影響力を強めたい考え。習近平国家主席は5月の世界保健機関(WHO)年次総会で、中国でコロナワクチンが開発・実用化された場合、「世界の公共財」になるよう貢献すると述べた。国家主導でワクチン開発を急いでいるほか、各国とワクチン開発・供給に関する協力関係を構築。これまでにフィリピン、ブラジル、インドネシア、パキスタンなどと「ワクチン外交」を展開中だ。


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