【亜州ビジネス編集部】国家衛生健康委員会・疾病予防管理局の呉良友・副局長は19日の記者会見で、3月1日〜4月18日に全国で確認された新型コロナウイルス感染者が49万7214人だったことを明らかにした。チベット自治区を除く全省（直轄市・自治区）で感染者が確認されている。呉副局長によると、地域をまたぐ感染拡大が起きており、「ゼロコロナ」実現が相当の難題となっている。
　呉副局長によると、河北省、江蘇省、浙江省、遼寧省の感染拡大は落ち着きつつある状況。吉林省では吉林市の状況が好転したほか、長春市で感染者が減少傾向にある。ただ、上海市は新規感染者数が高止まりし、市中感染の危険性がなお高く、厳しい状況にある。
　中国疾病対策予防センターの首席専門家、呉尊友氏は「ゼロコロナ」政策について、「最小の社会的コストで、最大の社会的効果を得られる。中国の予防管理の実際に即しており、最良の選択だ」と述べた。呉氏はその上で「新型コロナウイルスとの長期闘争の思想準備が必要だ」と語った。
　米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア（RFA）によると、「ゼロコロナ」堅持を強調する呉氏の発言に対し、SNSには異論が相次いでいる。上海出身で米国在住の研究者は、呉氏の発言に対し「多くの上海市民が不満を感じている」と指摘。「上海庶民の多くは、ゼロコロナ政策がオミクロン株のもとでは非現実的だと考えている」と語った。


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