【亜州ビジネス編集部】中国で建設作業員の高齢化が進んでいる。統計によると、建設作業員のうち30歳以下が15％程度にとどまる一方、50歳以上は43％近くを占めているという。中国青年報が8日付で伝えた。

　この統計は内モンゴル自治区フフホト市のデータをもとにしたもの。別の統計では、2007〜17年の10年間で、建設作業員の平均年齢が10歳上昇したとのデータもある。

　建設作業員の収入は21世紀の初めに、ホワイトカラーを上回る時期もあった。学歴を必要としない肉体労働は、仕事がハードで、安全面でのリスクや社会的な偏見もあったが、当時の都市建設ブームの追い風もあり、「コストパフォーマンスの良い職業」として労働人口が飛躍的に増加した。

　しかし現在では、第3次産業やインターネット経済へと移行し、宅配便や出前配達、ライブコマースなど、比較的労力や危険を伴わない仕事が若い人たちに提供されるようになった。その結果、建設現場では建設作業員の高齢化が進行している。

　専門家は「若者を建設現場に戻すには、給与水準の引き上げと社会保障の改善が必要」と指摘。「建築業界が技術レベルや管理レベルを向上させていくことが重要」と話している。


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