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  ニュース     2022/03/09 17:50

欧米の対露制裁、中国企業にシェア拡大の好機=WSJ 無料記事

 ウクライナ侵攻によって欧米のハイテク大手がロシア市場撤退を相次ぎ表明する中、対露制裁に反対する中国の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)や華為技術(ファーウェイ)など大手企業にシェア拡大のチャンスが生まれている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が7日報じた。

 ロシアはスマートフォンとパソコン(PC)の出荷割合で世界の2%を占める。スマホでは欧州最大の市場だ。同国市場で小米、栄耀(オナー)、リアルミーなどの中国ブランドは計41%のシェアを得ている。シェア14%のアップル(AAPL/NSADAQ)が撤退したため、中国ブランドは勢力をさらに拡大できる可能性がありそうだ。

 ロシアPC市場では聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が昨年、首位HPの21%に次いでシェア2位に躍り出ている。第5世代(5G)移動通信設備ではファーウェイが最有力で、最大のライバルであるスウェーデンのエリクソンは対露制裁に賛同して製品の供給を停止した。

 ただ、中国企業はロシアでの経済活動に慎重にならざるを得ないとの指摘も出ている。市場調査会社カウンターポイントのアナリストは、中国企業は大きなチャンスを獲得する一方、物流の混乱や、金融制裁によって支払いが複雑になったことなど障害も増えたと指摘。米国と同盟国による、変化が激しく複雑な貿易規制に違反した場合は、制裁を招く恐れもあるとした。

 北京の市場調査会社、ゲイブカル・ドラゴノミクスのアナリストは、中国企業による制裁違反時の損失は、得られる利益を大きく上回ると警告した。ロシア市場は小さく、制裁に違反して先進国市場でのビジネスチャンスを失うのは割に合わないとみている。 


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