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  ニュース     2023/06/29 09:21

習主席の「琉球王国」言及、日中関係に波紋も 無料記事

 今月4日付の人民日報が1面トップで、習近平・国家主席が国立史料館(中国国家版本館)を視察し、明朝時代の史料について館員と懇談した際、当時の琉球王国と福建省の歴史に触れたと報じたことが内外の注目を集めている。沖縄が日本に帰属することを疑問視する言動とも捉えられ、日中関係に波紋が広がる可能性があるという。英BBC(中国語版)が27日伝えた。

 香港大学香港アジア太平洋センターの林泉忠・研究員はBBCの取材に対し、「沖縄県知事が今夏に北京を訪問すると報じられてから、中国で『琉球熱』が盛り上がっている。2003年に人民日報が沖縄の『主権論争』を報じた際も、日中政界と民間で激烈な議論が起きた」と指摘している。

 習主席が琉球王国関連の史料に言及したことについて、林氏は「中国は琉球と特殊な友好関係を持っても良い。琉球が日本に帰属するのか議論すべきだ」と述べた。

 米海軍大学のジェームス・R・ホルムズ教授によれば、習主席の琉球の歴史問題に対する発言は、政治と軍事の両方の意味があるという。まず、日本の政治に「面倒を引き起こす」簡単な方法だ。また、仮に沖縄が独立して自衛隊が撤退し、米海兵隊が前進基地を失えば、「第一列島線」の突破を狙う中国にとって極めて有利となる。


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