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  ニュース     2022/12/21 13:36

中国がコロナ死の定義変更、各国基準と隔たり 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】北京大学第一医院・感染科の王貴強・主任は20日、新型コロナウイルス感染による死亡の定義について、同ウイルスの陽性者で、肺炎または呼吸不全を起こして死亡したケースが該当すると説明した。心筋梗塞など、他の基礎疾患によって死亡した患者は、新型コロナに感染していても除外されるとしている。香港紙・明報など複数メディアが21日伝えた。
 新型コロナ政策を決める最高決定機関「国務院聯防聯控機構」が20日に開いた記者会見で明らかにされたもの。ブルームバーグ通信によると、これまではコロナ陽性で死亡した場合、いかなる基礎疾患があったとしても公式のコロナ死亡者として分類されてきた。
 国家衛生健康委員会によると、19日のコロナ死者は5人で、いずれも北京市の住民。感染対策が緩和されて以降、中国では感染者が急増しているとされるが、海外からは「中国当局の発表する死者数が少なすぎる」との指摘が出ていた。
 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、肺炎と呼吸不全をコロナ死とする中国の基準は、欧米などと異なる。米疾病対策センター(CDC)は「新型コロナ感染が死亡の前提の一つとなっていれば死因とみなす」と規定。また、英当局が公表するコロナ死は、陽性者であれば他の病気で死亡した場合も含まれる。世界保健機関(WHO)のコロナ死の定義も英米とほぼ同じだ。中国の定義変更について、市場の一部では「実態を隠ぺいする狙いがあるのでは」との憶測も浮上している。
 衛生健康委によると、19日までの時点で中国のコロナ死は累計5237人。世界の専門家の多くは、中国で今後かなりの死者が出ると予測している。


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