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  ニュース     2020/06/30 18:59

中国:「巣ごもり経済」即席めん特需、韓国食品メーカー潤す 無料記事

 「巣ごもり経済」をキーワードに、韓国即席めんの対中輸出が足もとで急増している。統計によれば、韓国の中国本土向け即席めん輸出額は、今年5月に前年同期比で63.9%も伸びた。1〜5月にかけた累計では、50.9%増の6700万米ドル(約72億2000万円)に拡大。対中輸出全体のマイナス成長に逆行し、力強い増加を記録している。北京日報が6月30日付で伝えた。
 中国の即席めん市場は、世界最大を独走している。2019年時点で4500億人民元(約6兆8300億円)規模を超えている。「辛ラーメン」を主力とする農心(ノンシム)は、中国即席めん市場に新規参入して以来、年間の販売額は当初の20倍にまで膨らんだ。18年の中国販売は2億8000万米ドルに上る。瀋陽市と上海市に工場を擁し、販売全体の8割超は自社の中国現地工場で出荷した。足もとで華東エリアと華南エリアで攻勢をかけている。 
 一方、即席めんを主力とする三養食品(サミャン)は今年第1四半期、売上高が前年同期比45%増の750億ウォン(約62億7000万円)に達した。四半期ベースで過去最多を更新している。主に海外需要の伸びに支えられた。エリア別の輸出額では、中国が50%、米国が100%ずつ増加したという。
 即席めんだけでなく、冷凍食品の需要も取り込んだ。サムスングループから分離した韓国食品最大手のCJは、第1四半期は16.2%増収、54.1%増益を達成した。販売全体の6割を海外市場に依存している。
 半面、世界全体の貿易環境は委縮中。韓国の今年5月輸出額は、前年同期比23.7%減の348億6000万米ドルに低迷した。2カ月連続となる2ケタのマイナス成長を喫している。特に自動車とその部品、石油・化学製品の不振が目立った。ただ、医療用品、健康食品、デジタル機器(パソコンなどエレクトロニクス関連)は増勢を保っている。うち半導体の輸出額は7.1%の増加を達成した。韓国の輸出は、米国や欧州、東南アジア向けが2〜3割ずつ減少したものの、中国向けは堅調。5月の対中輸出額は、新型コロナウイルス感染流行前のレベルにまで回復した。
 世界ラーメン協会(大阪府池田市)によると、19年の即席めん消費量は、中国が世界最多の414億5000万食。これにインドネシア(125億2000万食)、インド(67億3000万食)、日本(56億3000万食)、ベトナム(54億3000万食)が続いた。1人当たりの年間消費量は、ベトナムが56食、インドネシアが46食、日本が44食、中国が29食、インドが5食などで推移している。


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