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  ニュース     2020/06/11 18:59

テスラ車に品質問題か、中国に続き海外でも集団提訴 無料記事

 自動車製品の品質問題を巡り、電気自動車(EV)大手の米テスラ(TSLA/NASDAQ)が訴訟の嵐に巻き込まれている。主力セダン「Model 3」の中国産車に関して今年3月、仕様書と異なる低スペックの車載コンピュータを搭載した事実が発覚。中国消費者による集団訴訟に発展した。さらに今度はカナダや米国で塗装不備の疑念が浮上。現地消費者の一部がテスラを相手取って訴訟を起こしている。毎日経済新聞が10日付で伝えた。
 上海法院訴訟サービス網によると、テスラ現地販売会社の特斯拉汽車銷售服務(上海)有限公司は、今年だけでも14件の訴訟を起こされている。うち13件が5月7日から6月9日にかけて集中的に審議開始されている。係争の内容は、車両リース契約に絡む1件を除き、軒並み売買契約に絡むトラブルだ。原告の多くは個人となっている。
 また北京の販売会社である特斯拉汽車銷售服務(北京)有限公司も、5月21日以降、売買契約トラブルに絡む24件の訴訟案件が開廷した。
 「Model 3」の塗装不備問題は、カナダ東部のケベック州で冬期に集中発生している。現地のあるオーナーは、「砂に塩化カルシウム剤を混合した凍結防止剤がまかれた路面を走行したら、購入わずか半年で塗装がはがれた」と訴え、テスラを提訴した。原告の男性は、同じようなトラブルに巻き込まれた消費者を募った上で集団訴訟を起こす構えも見せている。塗装不備の疑惑は、テスラのミッドサイズSUV「Model Y」でも浮上。米カリフォルニアの消費者らの間で問題提起されている。
 一方、5月1日の価格10%引き下げを追い風に、テスラの中国新車販売は足元で好調だ。業界団体の全国乗用車市場信息聯席会が8日に報告したところによれば、今年5月のテスラ新車販売は、中国で1万1095台に拡大。低迷した4月(3635台)と比較し、205.3%の伸びを記録した。3月(1万160台)と比べると9.2%の増加率となる。中国の新エネルギー乗用車で卸売台数首位に立った。上海工場製「Model 3」の販売が加速している。


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