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  ニュース     2020/03/25 19:04

テスラが均勝電子に追加発注34億円、中国で現地調達加速 無料記事

 中国ハイテク自動車部品メーカーである寧波均勝電子(ニンボー・ジョイソン・エレクトロニック:600699/SH)に対し、米テスラ(TSLA/NASDAQ)が部品調達の規模を拡大させている。上海市に建設した自社初の海外工場「ギガファクトリー3」で生産する電気自動車(EV)に搭載する電子制御機器に関して、均勝電子に2億2000万人民元(約34億4700万円)相当を追加発注した。新興自動車部品メーカーの均勝電子は、浙江省寧波市の子会社工場からテスラ上海工場に製品を直接供給。テスラ車の中国現地生産化を後押しする。汽車之家が24日付で伝えた。
 中国の現地生産車について、先ごろテスラは第2弾の指定サプライヤーリストを公開。このリストに均勝電子が組み込まれた。テスラ上海工場で生産する主力セダン「Model 3」と中型SUV(多目的スポーツ車)「Model Y」に関し、均勝電子はエアバッグ、シートベルト、ステアリング制御機器などを上海臨港区の自社工場から直接供給することが決まっていた。
 「Model Y」は当初計画を半年も繰り上げてこのほど北米エリアで出荷を開始している。中国製「Model Y」もすでに上海工場でラインオフした。中国の販売価格は48万8000人民元(約766万円)から。年内にも出荷される見通しだ。
 「Model Y」と「Model 3」は部品共通化率が高く、全体の75%に上る部品を共有できるだけに、生産コスト圧縮につながる。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、「Model Y」の最終的な販売台数について、自社のその他型式の合算を超えると見込んだ。
 テスラ「ギガファクトリー3」の初期生産能力は年15万台に設定。段階的に年30万台まで増強する計画だ。
 足元で週2000台を生産。3月中には2シフト体制に拡大し、75%増の週3500台体制に移行する。年内にさらに生産能力を引き上げる意向だ。「Model 3」は今年上半期に5万〜6万台を生産する予定。通年生産台数は17万台を計画しているという。
 均勝電子グループはヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)や自動車用安全システム、新エネルギー車用動力管理システムなどの開発製造を手がけている。独PREH、独QUIN、米ジョイソン・セイフティ・システムズなど海外自動車部品メーカーを傘下に有し、世界30カ国で事業を展開。主な顧客にはBMW、ベンツ、アウディ、ホンダ、トヨタといった大手自動車メーカーが名を連ねる(同社HP)。18年4月にはタカタのエアバック事業など主要資産(PSAN:硝酸アンモニウムガス発生器業務は除く)を取得した。
 19年2月7日、安全システム子会社の上海臨港均勝汽車安全系統有限公司を通じ、テスラ上海工場で現地生産する「Model 3」「Model Y」向けに安全システムを供給すると発表している。中国産テスラの年産台数(30万台)に基づく受注総額は15億人民元に上る見通しだ。20年から徐々に供給開始する。発注サイクルは3〜5年。


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