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  ニュース     2024/05/30 15:56

中国:セメント価格が上昇、国家基準改定で生産コスト増 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国でセメント価格が上昇している。中国水泥網のモニタリングデータによると、長江デルタなど南方エリアの価格は足元で、1トン当たり20~50人民元(約430~1100円)上昇している形だ。市場関係者は値上がりの一因として、6月1日付でセメントの国家基準が改定されることを挙げている。中国証券報が30日伝えた。
 6月1日付で実施されるセメントの新基準では、セメントの成分に関する要件が厳格化される。セメント1トン当たりの生産に使用されるクリンカーや石膏など主要材料の比率を引き上げ、その他混合材料の比率を引き下げるという内容だ。中国水泥網の試算によると、新基準の導入により、大半のセメント企業の生産コストは1トン当たり10~30人民元の上昇が見込まれるという。
 銀河証券は最新リポートで、足元のセメント価格の上昇要因の一つとして、新基準の導入による生産コストの増大を挙げた。また、石炭価格が上昇していることも、生産コストの増加につながっていると指摘。さらに、ここ数年の下落でセメント価格は既に採算ぎりぎりの水準にあり、赤字を減らしたいメーカーの値上げ意欲が強い点にも言及した。
 今後の見通しについて銀河証券は、6月は中国南部が雨季に入ることから、需要が徐々に縮小していくと予想。ただ、一部エリアで6月からセメントの減産が予定されていることから供給も縮小する見込みで、これが現在の価格水準を下支える可能性があるとみている。


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