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  ニュース     2024/02/15 14:49

訪日中国人が大幅減、「コロナ前の4割」データも 無料記事

 春節(旧正月)連休の旅行先に日本を選ぶ中国人が減少しているもようだ。全日空(ANA)のデータによると、2月1~28日の中国発航空便の予約数は1月末時点で、新型コロナウイルス流行前の2019年の4割程度の水準にとどまっている。韓国発便が19年同期を20%上回っているのに比べて、回復の遅れが目立つ状況だ。香港紙・星島日報が13日、日本メディアの報道を引用する形で伝えた。
 2月4日に始まった「さっぽろ雪まつり」は、これまで中国人に人気のイベントだったが、今年は中国からの団体旅行客がほぼ見当たらない状況だという。また、北海道の洞爺湖でホテルを経営する万世閣によると、コロナ禍前はインバウンドのうち3割を中国人観光客が占めていたが、今年はこれが大幅に減少。一方で、韓国や台湾からの旅行客がコロナ禍前を上回る規模に増えている。訪日中国人の低調については、福島第1原子力発電所の処理水排出問題などが影響したとの見方もある。
 もっとも、中国人の海外旅行意欲は旺盛だ。今年は春節が8連休(10~17日)となることに加え、ビザ免除国の増加、国際航空便の運航再開などにより、海外で春節を過ごす人が増えている。中国旅遊研究院が今月1日付で発表したリポートによると、中国の海外旅行者数は2024年に延べ1億3000万人に達し、19年の8割前後の水準を回復する見込みだ。また、富裕層の多い個人旅行に限れば、訪日中国人の数に大幅な落ち込みは見られないとの指摘もある。


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