【亜州ビジネス編集部】東京電力福島第1原発処理水の海洋放出の開始後、中国で反日ムードが広がっている。日本産水産物に対する輸入禁止に続いて、日本製品のボイコットを呼び掛ける動きがみられる。日本行き観光ツアーへの参加キャンセルが相次いでいるという。複数メディアが伝えた。

　中国のインターネット上では6月以降、日本製品のボイコットを呼び掛ける書き込みが目立ち始めた。また、中国メディアの第一財経によると、10月の国慶節連休について、海外旅行先として日本は最人気だったが、旅行各社は売り込みを停止したという。

　香港メディアの東網によると、処理水放出による水産物への不安から「魚介類を買わない」と宣言するネットユーザーも多いという。中国の漁師の間では「日本が収入の道を断った」と嘆く声も聞かれる。

　中国海洋大学の周仲元・副教授は「短期的には水産物を懸念する必要はない」と指摘している。ただ、処理水の放出は消費者の水産物の購買意欲に一定の影響を及ぼしている。


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